水場に発生しがちなカビ。特に浴室は高温多湿なのに加え、皮脂汚れや髪などの“栄養分”が豊富でカビの繁殖に最適な環境となる。福井県内の専門家は、換気しづらい梅雨時は湿気がこもり「繁殖力が強まる可能性がある」と話し、カビ退治と予防のために、早めに浴室を大掃除するよう呼び掛けている。
部屋の整理収納やハウスクリーニングなどを請け負う「ふくい整理収納サービス」代表の、うのきょうこさん(36)によると、まずはおけや椅子、ボトル類など浴室にある物を浴室外に出し、掃除しやすい環境を整えるところから。不要物を処分したり、ボトルやおもちゃはつるして収納できるようにするなど、水分がたまりにくい浴室に整えてカビ予防につなげたい。
浴室掃除は「上から下に向かって行うのが効率的」(うのさん)。中でも、換気扇のフィルターや排水口は重点箇所という。
換気扇のフィルターは網目に沿って優しくブラッシングし、ほこりを落として水洗い。カビや汚れが付着している場合は、薄めた塩素系洗剤で丁寧にブラッシングする。フィルターは乾かしてから戻す。
排水口は髪の毛を取り除き、シャワーで流しながらブラシでカビなどの汚れを落とす。落ち切らないときは、薄めた塩素系洗剤につけ置きする。⇒排水口のブラッシング方法
浴室の構造や材質で掃除方法は異なる場合があるため、できる範囲で行う。不明な点は清掃業者に問い合わせたり、洗剤は表記を確認して正しく使用したりするなどの注意が必要だ。
大掃除を終えても油断せず、日々のカビ予防を継続することが大切。浴室を使った後は、水切りワイパーで床の水滴を取り除いて換気する。換気は1時間以上が好ましい。より徹底したい場合は、浴槽の縁や水栓部分をタオルで拭き取るなど水分をなるべく減らす。窓や換気扇がないときは、扇風機やサーキュレーターを浴室内に向けて2時間ほど回しておく。
カビは体内に入ると心身に悪影響を及ぼすとともに、建物の老朽化を進める可能性もある。うのさんは「換気しづらい冬場もカビが繁殖するのに適した季節。9月ごろにも大掃除するとよいかも」と提案している。