<南風>若年性認知症の課題

 若年性認知症を知ろう―。若年性認知症とは18歳から64歳までに発症する認知症のことだ。沖縄県でも増加傾向にあるといわれているが、2013年に実態調査を実施して以降、調査されておらず明確な数は示されていない。

 しかし国が若年性認知症の施策を打ち出してから、徐々に知られるようになり、沖縄県においても若年性認知症コーディネーターを一人配置し、相談窓口が設置された。他府県では、特化したサービスや活動も盛んで、居場所作りが推進されている。

 また、当事者の方の講演会を通して、ご本人の思いを聞く機会も増えた。しかし、沖縄県は若年性認知症の方のニーズに合ったサービスや居場所においては遅れをとり、これについての課題を、コーディネーター一人では抱えることが困難だ。コーディネーターの増員やニーズにあった居場所、サービス作りなどは早急に対応する必要性を強く感じる。

 弊社は今年6月1日にケアープランセンターniko(ニコ)を開所した。介護が必要になり、介護保険サービスを受けるためにはサービス計画書が必要になる。それを作成する事業所だ。弊社は若年性認知症の人にも対応できるように成長していきたいと考えている。

 そこで飛び込んできたイベントが、うらそえ介護福祉士会が主催する講演会。若年性認知症の当事者である丹野智文さんが「丹野トーク!!~認知症の私から見える社会~」と題して講演会が開催される。日時は7月23日(土)14時開始、場所は浦添市産業振興センターゆいの街、チケット2千円、お問い合わせは098―870―0354。ぜひ多くの方が足を運び、若年性認知症について考える機会になることを願う。特に企業の福利厚生担当者にお勧めする。

(友寄利津子、Green Star OKINAWA代表社員)

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