シュコダ駆るコバライネン、優勝候補の脱落が相次いだモントレーで今季4勝目/全日本ラリー第5戦

 6月10日から12日にかけてJRC全日本ラリー選手権第5戦『MONTRE 2022(モントレー2022)』が群馬県富岡市を中心に開催され、Rally Team AICELLOのヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(シュコダ・ファビアR5)が今季4度目の優勝を果たした。

 2022年シーズン後半戦のオープニングラウンドとなった今戦は、FIA格式の国際ラリーシリーズであるAPRCアジア・パシフィック・ラリー選手権との併催イベントとなり、サービスパークは新たに富岡市の群馬サファリパーク内に置かれた。

 有観客での開催となった第5戦の競技は、同サービスパークを中心に藤岡市、神流町、上野村、南牧村周辺に設定された10本のSS、合計距離約126kmで争われ、優勝したコバライネン組はこれを1時間39分38秒6で走破。後続に2分30秒以上のギャップを築いて今シーズン4勝目を飾った。

 元F1グランプリウイナーでスーパーGT GT500チャンピオンでもあるコバライネン。彼は競技初日となった11日(土)のSS2でパンクに見舞われながらも、2番手につけた眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリス)を1分21秒引き離して初日のラリーを終える。

 この日は多くのアクシデントが各選手を襲い、地元群馬で意地を見せSS1でベストタイムをマークした新井敏弘/田中直哉組(スバルWRX STI)がSS2でクラッシュしリタイアに。同ステージでは奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)もメカニカルトラブルでリタイアとなっている。

 さらに、SS2を終えた段階で総合首位に立った勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリス)がSS3でクラッシュを喫した他、鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX STI)は3度のパンクとターボのトラブルでタイムを失った。

 優勝候補のドライバーたちが次々と戦線を離脱したなかで迎えた最終日のレグ2は、コバライネンが4本のSSのうち3つでベストタイムをマークする走りで完全な独走状態に。そのままトップでフィニッシュし、JRCとAPRCとのダブルウインを達成した。

 一方、後方では眞貝組と柳澤宏至/加勢直毅組(トヨタGRヤリス)が激しい2番手争いを繰り広げる。一時は0.4秒差にまで縮まった両ペアの戦いは、SS7で自身初のステージ優勝を飾った眞貝組に軍配。最終的には20.7秒差でこの戦いを制し、JN1クラスでは初となる2位表彰台を獲得している。

 柳澤/加勢組は総合3位で今季初のポディウムフィニッシュを達成した。福永修/齊田美早子組(シュコダ・ファビアR5)が総合4位、総合5位は徳尾慶太郎/石田一輝組(トヨタGRヤリス)となった。JN2~JN6の各クラスウイナーは以下のとおりだ。

JN2 中平勝也/島津雅彦組(トヨタ86R3/R-ART RALLY TEAM)
JN3 竹内源樹/木村悟士組(スバルBRZ/YH CUSCO 大阪冷研 BRZ)
JN4 西川真太郎/本橋貴司組(スズキ・スイフト/スマッシュ ラリーチーム)
JN5 小濱勇希/橋本美咲組(トヨタ・ヤリス/MATEX-AQTEC RALLY TEAM)
JN6 海老原考敬/蔭山恵組(トヨタ・ヴィッツ/スマッシュ ラリーチーム)

 JRCの次戦は北海道虻田郡ニセコ町を拠点とする『2022 ARK ラリー・カムイ』だ。今季第6戦として、7月8~10日に開催される同ラリーは、全8戦中2ラウンドあるグラベル(未舗装路)イベントのひとつとなっている。

中平勝也/島津雅彦(トヨタ86R3/R-ART RALLY TEAM)
竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ/YH CUSCO 大阪冷研 BRZ)
西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフト/スマッシュ ラリーチーム)
小濱勇希/橋本美咲(トヨタ・ヤリス/MATEX-AQTEC RALLY TEAM)
海老原考敬/蔭山恵(トヨタ・ヴィッツ/スマッシュ ラリーチーム)

© 株式会社三栄