セクハラ男性職員へ二宮町が提訴へ 被害女性職員への賠償金求める

二宮町役場

 神奈川県二宮町の女性職員が男性職員からセクハラやパワハラ行為を受けたとして町を相手に起こした訴訟を巡り、同町は国家賠償法に基づく求償権を行使し、町が女性に支払った損害賠償金342万7465円を男性に求めて横浜地裁小田原支部に提訴する。14日の町議会第2回定例会に関連議案を提出し、賛成多数で可決された。

 町によると、男性職員は2015年4月から16年3月と18年8月に同僚の女性職員にみだらな言葉をかけたり、下半身を触ったりするなどのセクハラ行為を繰り返した。また、17年6月には職場環境に関する外部からの聞き取り調査を受けることになった女性職員に対して、事前に回答内容を指示するなどのパワハラ行為を行ったという。

 女性職員は19年3月、町に損害賠償を求めて提訴した。22年2月の判決を受け、町は女性に慰謝料を含む損害賠償金275万円と遅延損害金67万7465円を同4月に支払った。町は賠償金の全額を男性職員側に請求したものの、「町の責任もある」と2度にわたり拒否したことなどから、提訴に踏み切った。

 町は「国家賠償法に基づき、求償権利を持っている。公務中の故意であるセクハラ行為、わいせつ行為と判断した。議決されたので早めに提訴したい」と話した。

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