地域で「楽しそう」を形に 『ヤヤコープ』結成、伊藤陽太さんの活動

伊藤さん(右)らが出演し、地元の作家などを紹介するユーチューブの一場面

 北欧発祥のスポーツ大会に佐世保市の怪談会-。同市陣の内町の庭師、伊藤陽太さん(38)の頭の中には、やりたいことがあふれている。4月に地域活性化を目指すグループ「稍(やや)生活協同組合ヤヤコープ」を結成。楽しければ人は集まるとの考えを旗印に活動を続ける。
 近く計画するのは怪談会。「河童(かっぱ)って地域で撃退方法が違うらしいんですよ。怪談会ではこういった話もする予定です」。ボウリングのようなピンを目がけて棒を投げて得点を競うフィンランド発祥の「モルック」の“日本大会”も思い描く。
 グループ名の稍は、少しの意味から名付けた。名前の通り、緩いつながりで活動し、メンバーが提案した企画に興味ある人が協力する。活動の継続を第一に、この形を取った。現在、長崎県北地域の学生や会社員、主婦ら12人が集い、年内にメンバーの好きなことを詰め込んだ「yayaフェス」の開催を目標にしている。
 伊藤さんが地域のにぎわいづくりに携わって約10年。学生時代に福岡市に住んだことで逆に、地元佐世保市の自然や歴史の豊かさに気付いた。より楽しく暮らせるように地域をデザインしたい-。もともと好奇心旺盛で「じっとしていると具合が悪くなる」性格もあって思い立ったら即行動。音楽や英会話のイベント、シーカヤックでごみ拾いなど「楽しそう」を形にしてきた。
 目指すのは地域と地域、人と人を結び付けること。動画投稿サイト「ユーチューブ」では若手のアクセサリー作家らを紹介。「興味を持った人と作家をつなぎ、少しでも収入になれば」との思いからだ。佐世保市内やその近隣自治体のキーマンとも連携しながら盛り上げ、移住者らにも寄り添っていきたいと考えている。
 次々と人脈が広がり、一緒に取り組む仲間が増えた。「出会う人によってできることが変わっていく。それが楽しみ」と笑った。


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