前横浜市長の林文子氏(76)が今月、市内に本社を置く上場企業2社の社外取締役に相次いで就任した。市長職を務める以前は自動車販売会社などでトップを歴任し、女性実業家として活躍した林氏。慣れ親しんだ経済界に再び身を置き、「横浜に貢献したい」と意欲を燃やしている。
「私は、小売りやスーパー業界を20年以上経験してきた。顧客や株主の目線で意見交換していきたい」
17日に市内で開かれた家電量販店ノジマ(同市西区)の株主総会。関係者によると、社外取締役就任の承認を得た林氏は、そう抱負を述べたという。
今年に入って林氏に就任を打診した同社は「販売業界での会社経営という豊富なビジネス経験と、横浜市長時代に培った幅広い見識を当社の経営に生かしてほしい」としている。
16日には、ゲーム開発大手コーエーテクモホールディングス(同市港北区)の株主総会があり、林氏の社外取締役就任が決まった。
担当者は「経営者としての実績に加え、大都市のトップを3期12年にわたり務めた林氏はこの上ない人材」と説明。市長在任中に文化芸術施策に注力した経緯を踏まえ、「当社の事業領域とも親和性が高く、あらゆる面で直言してほしい」と期待を寄せる。