全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4大会は6月18日(土)、宮城県のスポーツランドSUGOで第10戦の決勝レースが行われ、セーフティカーが3回、赤旗中断1回という荒れた展開のレースを小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)が制した。2位はスタートで順位を落としながら追い上げた平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)で、TOM’Sがワン・ツーとなった。3位は平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)で、チームに初表彰台をもたらした。
午前に行われた公式予選の後、ピットビューイングやスーパーフォーミュラの予選等のスケジュールを経て、15時35分にフォーメーションラップが始まったスーパーフォーミュラ・ライツ第10戦の決勝レース。迎えたスタートでは、ポールポジションの太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)に対して、2番手スタートの小高が好スタートを切り、1コーナーでトップを奪った。
一方、その後方では2列目3番手の野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)、4番手の平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)がどちらも発進できず、3列目5番手の古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)、6番手の菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が揃ってインに入っていった。
しかし、続く1コーナーで古谷と菅波が接触。菅波車が古谷のタイヤに乗り上げ一瞬宙を舞ってしまう。2台ともリスタートはできたが、菅波は足回りにダメージを負いピットに戻ることに。レースはそのままセーフティカーランとなった。この2台の接触の間に、アウトから3番手に浮上したのは、7番手スタートだった木村。接触を避けようとした川合孝汰(Rn-sports 320)がわずかにイン側のランオフに出て遅れる間に9番手スタートの平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)が4番手に浮上した。
セーフティカーは4周目に退去しリスタートを迎えるが、2番手の太田の背後から木村がオーバーテイクをしかけていく。しかし、2台はストレートで接触。木村がコンクリートウォールにヒットし、1コーナーでストップ。さらに太田は第1戦同様ギヤボックスにダメージを負い、液体漏れが発生。コース全周に渡り処理が必要になったため、レースは赤旗中断となってしまった。
オフィシャルによる処理を経て、16時25分にレースはセーフティカーランでリスタートを迎えた。8周目にセーフティカーが退去し、小高がリード、平木玲次と川合による3番手争いが展開されるが、13周目に川合は電気系トラブルが起きまさかのストップ。この車両回収で3回目のセーフティカーランとなった。一方、リスタート後一気に順位を戻していた平良、古谷が3〜4番手につけていた。
3回目のリスタート時、平良はタイミングをしっかり合わせると、2番手の平木玲次を抜き去り、さらにトップの小高に迫っていく。3番手となった平木玲次には今度は古谷が迫るが、22周目の1コーナーでアウトに並んだ古谷は姿勢を乱しコースアウト。平木玲次が3番手を守る。
トップの小高、平良は終盤ファステストラップを出し合いながら競り合ったが、40分の最大時間の最後までトップを守り、今季4勝目。2位はスタートの遅れを展開のなかで取り返した平良となった。表彰台争いは、平木玲次の後方にスタートの遅れ、ドライブスルーペナルティから追い上げてきた野中が迫るも、最後は平木玲次がポジションを死守。チーム初の表彰台となった。
4位は野中、5位はコースに復帰した古谷という結果に。6位にはマスタークラス優勝となる今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が入った。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権
第10戦スポーツランドSUGO 決勝結果
Pos. No. Driver Car Engine Laps Grid Qualify
1 37 小高一斗 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320 トムスTAZ31 25 2 1’13.501
2 38 平良響 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320 トムスTAZ31 25 4 1’13.789
3 63 平木玲次 HELM MOTORSPORTS 320 東名TB14F3 2020 25 9 1’14.798
4 35 野中誠太 PONOS Racing TOM’S 320 トムスTAZ31 25 3 1’13.700
5 36 古谷悠河 Deloitte. HTP TOM’S 320 トムスTAZ31 25 5 1’13.801
6 4 今田信宏(M) JMS RACING with B-MAX スピースA41 25 10 1’15.459
7 30 DRAGON(M) TEAM DRAGON B-MAX 320 スピースA41 25 11 1’15.678
8 62 平木湧也 HELM MOTORSPORTS 320 東名TB14F3 2020 25 12 1’15.683
R 10 川合孝汰 Rn-sports 320 スピースA41 12 8 1’14.478
R 2 太田格之進 HFDP WITH TODA RACING スピースA41 5 1 1’13.399
R 1 木村偉織 HFDP WITH B-MAX RACING スピースA41 3 7 1’14.136
R 50 菅波冬悟 Byoubugaura B-MAX Racing 320 スピースA41 1 6 1’13.846
天候:晴れ 路面:ドライ
ファステストラップ:小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320) 1’14.832 25/25
ペナルティ:
※No.50の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第15条1.1)(危険なドライブ行為(他車への接触)により、ペナルティストップ30秒を課したがリタイヤにより未消化。
※No.35の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第31条10.(反則スタート)により、ドライブスルーペナルティを課した。
※No.1の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第31条10.(反則スタート)により、ドライブスルーペナルティを課したがリタイヤにより未消化。
※No.1の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第15条1.1)危険なドライブ行為(他車への追突)により、ペナルティストップ30秒を課したが、リタイヤにより未消化。 ペナルティポイント1点を課す。
※No.50の車両は、国際モータースポーツ競技規則 付則H項 2.10.11(SC活動中の危険走行(オーバーラン))により、ペナルティストップ5秒を課したがリタイヤより未消化。
※No.36の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第19条2.(危険な走路復帰)により、訓戒のペナルティを課す。
※No.63の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第19条3.(2回以上の進路変更)により、訓戒のペナルティを課す。
※No.4,No.10,No.36,No.37の車両は、2022全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第34条1.5(レース中断中の作業違反(許可されない作業))により、訓戒のペナルティを課す。