2022年6月22日に参議院議員通常選挙が公示され、7月10日に投開票が行われます。
海外に留学している人や海外で仕事をしている人が、投票できる制度を「在外選挙制度」といい、在外選挙制度を利用して投票することを「在外投票」と呼びます。
海外に住んでいる場合には、大使館などとのやり取りが必要となり、日本で投票を行うときとは異なる手続きが必要です。
本記事では在外投票の手順を噛み砕いて説明します。在外投票を検討している人は、本記事を参考にしてみてください。
在外投票の対象者とは?
18歳以上の日本国籍を持っている人のうち、転出届を提出して海外で暮らしている人が、在外投票の対象者です。
そのため、数週間の海外旅行など転出届を出さない状態で海外にいる人は、対象外となります。
外国から日本の選挙に投票する方法
在外投票を行うためには、投票のときに「在外選挙人証」が必要です。
ここでは「在外選挙人名簿への登録方法」「在外選挙人証の取得方法」「実際に投票する方法」について説明します。
在外選挙人名簿への登録方法
在外投票をするには「在外選挙人証」が必要です。
在外選挙人証は、在外選挙人名簿に登録した人に交付されます。
在外選挙人名簿への登録は、海外への転出届と同時に申請する①出国時申請と、既に転出届を提出した後で申請する②在外公館申請があります。
①出国時申請
出国時申請は、海外転出届を出す時に同時に在外選挙人名簿への登録を申請する方法です。
あらかじめ出国前に在外選挙人名簿への登録を済ませておけば、海外で在留届を提出したあとに在外選挙人証がスムーズに交付されます。
②在外公館申請
在外公館申請は出国時申請をしていない状態で、既に海外に住んでいる人が在外選挙人名簿に登録申請をする方法です。住んでいる地域を管轄している大使館や領事館で、申請を行います。
申請書は大使館や領事館で直接受け取るか、Webサイトで公開されているものを使用しましょう。
既に3ヶ月以上海外に住んでおり、在留届も提出している人は、在外公館申請後に日本国内での審査を待って交付されます。
この申請は海外に移り住んでからすぐに行うことができます。しかし、在外選挙人証の交付は在留届を提出して審査を受けてから行われるため、早めに申請をして選挙に備えましょう。
上記の方法で在外選挙人名簿への登録が完了すると、在外選挙人証を受け取ることができます。
3つの投票方法
在外選挙人証を受け取ったあとの投票方法は3つあります。
- 在外公館投票
- 郵便等投票
- 日本国内における投票
それぞれの投票方法の特徴を説明します。
①在外公館投票
在外公館投票は住んでいる地域を管轄している大使館や領事館で投票を行う方法です。
在外選挙人証とパスポート等を提示して投票します。
事前に大使館や領事館に在外投票を受け付けているか確認すると良いでしょう。
②郵便等投票
国際郵便等で在外選挙人名簿に登録されている地域の選挙管理委員会へ在外選挙人証を同封して、投票用紙を申請する方法です。
投票用紙が手元に到着後、候補者名や現在の住所などを記入してもう一度選挙管理委員会へ郵送します。
③日本国内における投票
一時帰国している場合や帰国してまだ日が浅く、国内の選挙人名簿に名前がない場合に投票できる方法です。
在外選挙人証を提示すれば、投票日の投票所での投票や期日前投票、不在者投票ができます。
【参考】外務省:在外選挙とは
【参考】総務省|選挙制度について
在外投票をするときの注意事項
在外投票をする場合は以下に気をつける必要があります。
- 移り住んですぐに選挙があるとわかっている場合は転居前に投票をしましょう。
出国後3ヶ月未満の場合、国内の選挙人名簿に名前があるため、国外から投票できません(「国外における不在者投票制度」の対象となる人を除く)。
- 在外選挙人証の申請や在外公館投票、郵便等投票には時間がかかるため、選挙の期間が始まる前に進めておきましょう。
選挙期間に慌てて申請すると、日本での審査や交付手続きに時間がかかり、投票に間に合わなくなることがあります。
在外投票の対象者・やりかたまとめ
在外投票は、18歳以上の日本国籍を持っている人のうち、転出届を提出して海外で暮らしている人が対象となります。
大まかな流れは、以下の通りです。
- 在外選挙人名簿に登録するために、出国時申請もしくは在外公館申請をする
- 日本国内での審査を待つ
- 審査を通過して在外選挙人名簿に登録されると、選挙の時期に在外選挙人証が届く
- 在外選挙人証やパスポート等を提示して投票する
在外選挙人証の申請や投票には、日本とのやり取りが発生するため、手続きに時間がかかります。
投票に間に合うように手続きは、お早めに進めましょう。
(執筆協力:中村大地)