300年以上続く柿崎区の年中行事「お引き上げ商工まつり」が20~22日、同区中心部で行われている。新型コロナウイルス感染症のため昨年、一昨年は中止となり3年ぶり。露店は県内事業者の出店に限り、間隔を空けて設置され、約50店と例年に比べ半減しているが、住吉町十字路付近や寺院境内に並び、久しぶりに活気が戻った。
正しくは「報恩講お引き上げ」といい、浄土真宗の宗祖、親鸞の命日に行われる法要のこと。命日は1262(弘長2)年1月16日(旧暦11月28日)とされているが、雪国では真冬に行うのは厳しく、大勢の信者や参拝者が集まりやすい、田植えが終わった初夏の6月に繰り上げて行われるようになった。これが「お引き上げ」の語源となっており、1710年ごろに始まったとされる。
風物詩の露店が並ぶ通りには夕方になると、多くの子どもたちや親子連れが繰り出し、にぎわった。友達と射的や型抜きをして遊んだという小山結士(ゆうし)君(上下浜小5年)は「お祭りやイベントがなかったので、こういう雰囲気はとても楽しい」と笑顔で話した。通り沿いに住む柿崎区柿崎4区の荻原憲(あきら)さん(35)は「昔から見てきたお引き上げ。露店が少なくなって残念だが、人が集まって活気が出てうれしい」と話した。
主催の柿崎観光協会と実行委員会のスタッフは人出を見ながら「待望の開催。やっとできました」とうれしそうに話していた。
最終日22日は諏訪中央会館前でチャリティーバザーやキャラクター撮影会なども予定されている。