野党候補の追い上げも 複数人区は乱戦模様=JX通信社 参院選第3回全国情勢調査(米重克洋)

JX通信社は今月17日から21日にかけて、参議院議員選挙(22日公示・来月10日投開票)に向けた独自の情勢調査を実施し、有権者の動向を探った。全国全選挙区を対象とした調査は4月、5月に続き3度目だ

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選挙区:全国で自民優位続くも、複数人区で混戦度増す

情勢を分析した結果、公示前の時点では、全国に32ある一人区のうち27選挙区で自民党候補がリードしている。ただ、一部の選挙区では野党系の候補に勢いがあり、混戦となっている。

複数人区では、従来から接戦とされてきた東京都や愛知県、京都府に加え、北海道や茨城県でも当選圏内をめぐる争いが熾烈になっている。態度を決めていない有権者が一定数に上るため、情勢は今後大きく変化する可能性がある。

比例代表:前回調査から大勢変わらず 参政党に議席獲得の可能性

比例代表の投票先では前回調査から大きな変化がみられず、広く支持を集める自民を立憲と維新が並んで追う状況が続く。一方、国民民主党やれいわ新選組は4月調査から2回連続で支持を伸ばしている。また、諸派の政治団体のうち、参政党もやや支持を伸ばしており、石川県や栃木県などの5選挙区では、比例投票先として同党を挙げた有権者が2%を超えている。

有権者の約2割が態度を明確にしておらず、無党派層からの集票が鍵を握る。

全国45選挙区の情勢

北海道選挙区=定数3】

自民現職の長谷川岳氏が先行し、立憲新人の石川知裕氏、自民新人の船橋利実氏、立憲現職の徳永エリ氏が激しく追う展開。共産新人の畠山和也氏、国民新人の臼木秀剛氏がそれに続く。

青森選挙区

立憲現職の田名部匡代氏と自民新人の斉藤直飛人氏が激しく争う。

岩手選挙区

立憲現職の木戸口英司氏と自民新人の広瀬めぐみ氏が横一線で争う。

宮城選挙区

自民現職の桜井充氏が先行し、立憲新人の小畑仁子氏が追う。維新新人の平井みどり氏らが続く。

秋田選挙区

自民現職の石井浩郎氏が先行している。無所属新人で国民が推薦する村岡敏英氏、同じく立憲が推薦する佐々百合子氏が追い上げている。

山形選挙区

国民現職の舟山康江氏が一歩リードし、自民新人の大内理加氏が追う。共産新人の石川渉氏が続く。

福島選挙区

自民新人の星北斗氏と無所属新人で立憲・国民・社民が推薦する小野寺彰子氏が競り合っている。

茨城選挙区=定数2】

自民新人の加藤明良氏が優位に戦いを進めており、無所属新人で立憲・国民が推薦する堂込麻紀子氏、維新新人の佐々木里加氏が競り合いながら激しく追っている。共産新人の大内久美子氏が続いている。

栃木選挙区

自民新人の上野通子氏が広く浸透している。立憲新人の板倉京氏、維新新人の大久保裕美氏、共産新人の岡村恵子氏が続く。

群馬選挙区

自民現職の中曽根弘文氏が広く浸透し、無所属新人で立憲が推薦する白井桂子氏が懸命に追う展開。共産新人の高橋保氏が続く。

埼玉選挙区=定数4】

自民現職の関口昌一氏が先行し、立憲新人の高木真理氏、公明現職の西田実仁氏が追い上げている。無所属現職で国民が推薦する上田清司氏、共産新人の梅村早江子氏が当選圏内入りを目指して激しく競り合う。維新新人の加来武宜氏、れいわ新人の西美友加氏が続く。

千葉選挙区=定数3】

自民現職の猪口邦子氏、自民新人の臼井正一氏、立憲現職の小西洋之氏がリードする。共産新人の斉藤和子氏が猛追し、維新新人の佐野正人氏、国民新人の礒部裕和氏が続く。

東京選挙区=定数6】

自民現職の朝日健太郎氏、立憲現職の蓮舫氏、共産現職の山添拓氏、公明現職の竹谷とし子氏がリードし、自民新人の生稲晃子氏が続いている。その後をれいわ元職の山本太郎氏、維新新人の海老沢由紀氏、無所属新人の乙武洋匡氏、立憲新人の松尾明弘氏、ファーストの会新人で国民が推薦する荒木千陽氏が激しく追っている。社民党新人の服部良一氏がそれに続く。

神奈川選挙区=定数4+補充1】

自民現職の三原じゅん子氏が先行する。自民元職の浅尾慶一郎氏、公明現職の三浦信祐氏、立憲新人の水野素子氏、維新元職の松沢成文氏、共産新人の浅賀由香氏が当選圏内入りをめぐって争う。その後を立憲新人の寺崎雄介氏、国民新人の深作ヘスス氏、社民新人の内海洋一氏が追っている。

新潟選挙区

自民新人の小林一大氏と立憲現職の森ゆうこ氏が横一線で激しく競り合っている。

富山選挙区

自民現職の野上浩太郎氏が優位に戦いを進め、維新新人の京谷公友氏、共産新人の坂本洋史氏、立憲新人の山登志浩氏が追い上げを図る。

石川選挙区

自民現職の岡田直樹氏が優位に戦いを進め、立憲新人の小山田経子氏が追う。共産新人の西村祐士氏は伸び悩んでいる。

福井選挙区

自民現職の山崎正昭氏が一歩リードし、無所属新人で立憲の支援を受ける斉木武志氏が追っている。無所属新人で維新が推薦する笹岡一彦氏が続く。共産新人の山田和雄氏がそれを追う。

山梨選挙区

自民新人の永井学氏と立憲現職の宮沢由佳氏が、横一線で大激戦を繰り広げている。

長野選挙区

立憲現職の杉尾秀哉氏と自民新人の松山三四六氏がまったくの互角。維新新人の手塚大輔氏が激しく追い上げている。

岐阜選挙区

自民現職の渡辺猛之氏が先行している。国民新人の丹野みどり氏、共産新人の三尾圭司氏が激しく追っている。

静岡選挙区=定数2】

自民新人の若林洋平氏が先行している。無所属現職の平山佐知子氏、同じく国民推薦を受ける山崎真之輔氏、共産新人の鈴木千佳氏が当選圏内入りを目指して争っている。

愛知選挙区=定数4】

自民現職の藤川政人氏と立憲現職の斎藤嘉隆氏が先行している。公明現職の里見隆治氏、維新新人の広沢一郎氏、国民現職の伊藤孝恵氏、共産新人の須山初美氏が当選圏内入りを目指し、競り合っている。れいわ新人の我喜屋宗司氏、社民新人の塚崎海緒氏は浸透に躍起だ。

三重選挙区

自民新人の山本佐知子氏がリードし、無所属新人で立憲・国民が推薦する芳野正英氏が猛追している。

滋賀選挙区

自民現職の小鑓隆史氏がリードし、無所属新人で立憲・国民が推薦する田島一成氏が追い上げている。共産新人の石堂敦士氏がそれに続く。

京都選挙区=定数2】

自民新人の吉井章氏、立憲現職の福山哲郎氏、維新新人の楠井祐子氏、共産新人の武山彩子氏による大混戦になっている。

大阪選挙区=定数4】

維新現職の浅田均氏、自民現職の松川るい氏、維新現職の高木佳保里氏、公明現職の石川博崇氏がリードし、共産元職の辰巳孝太郎氏、立憲新人の石田敏高氏が激しく追っている。れいわ新人の八幡愛氏、国民新人の大谷由里子氏が続いている。

兵庫選挙区=定数3】

自民現職の末松信介氏、維新現職の片山大介氏がリードし、公明現職の伊藤孝江氏と立憲新人の相崎佐和子氏が当選圏内入りをめぐって争う。共産新人の小村潤氏がそれを追う。

奈良選挙区

自民現職の佐藤啓氏がやや先行している。維新新人の中川崇氏、立憲新人の猪奥美里氏が横一線で追い上げる。共産新人の北野伊津子氏が続く。

和歌山選挙区

自民現職の鶴保庸介氏が優位を戦いに進め、共産新人の前久氏が追い上げを図る。

鳥取・島根選挙区

自民現職の青木一彦氏が優位に戦いを進め、立憲新人の村上泰二朗氏が追い上げを図る。共産新人の福住英行氏がそれに続く。

岡山選挙区

自民現職の小野田紀美氏がリードし、無所属新人で立憲・国民が推薦する黒田晋氏が激しく追い上げる。共産新人の住寄聡美氏がそれに続く。

広島選挙区=定数2】

自民現職の宮沢洋一氏が優位に戦いを進め、無所属新人で立憲・国民が推薦する三上絵里氏が続く。維新新人の森川央氏、共産新人の中村孝江氏がそれを追っている。

山口選挙区

自民現職の江島潔氏が優位に戦いを進め、立憲新人の秋山賢治氏、国民新人の大内一也氏、共産新人の吉田達彦氏が追い上げを図っている。

徳島・高知選挙区

自民現職の中西祐介氏が先行し、維新新人の藤本健一氏、共産新人の松本顕治氏が横一線でそれを追う。国民新人の前田強氏がそれに続く。

香川選挙区

自民現職の磯崎仁彦氏が優位に戦いを進め、立憲新人の茂木邦夫氏、国民新人の三谷祥子氏、維新新人の町川順子氏が小差で並んで追っている。共産新人の石田真優氏がそれに続く。

愛媛選挙区

自民現職の山本順三氏が先行し、無所属新人で立憲が推薦する高見知佳氏が激しく追っている。

福岡選挙区=定数3】

自民現職の大家敏志氏、立憲民主党現職の古賀之士氏がやや先行し、公明党現職の秋野公造氏が続く。維新新人の龍野真由美氏、共産新人の真島氏が激しく追い上げている。国民新人の大田京子氏、れいわ新人の奥田ふみよ氏、社民新人の福本貴紀氏は浸透に躍起だ。

佐賀選挙区

自民現職の福岡資麿氏が先行し、立憲新人の小野司氏が追い上げる。共産新人の上村泰稔氏が続く。

長崎選挙区

自民新人の山本啓介氏が先行し、立憲新人の白川鮎美氏、維新新人の山田真美氏が追っている。共産新人の安江綾子氏がそれに続く。

熊本選挙区

自民現職の松村祥史氏が先行し、立憲新人の出口慎太郎氏が追う。

大分選挙区

自民新人の古庄玄知氏と国民現職の足立信也氏が大激戦を繰り広げている。共産新人の山下魁氏は浸透に課題が残る。

宮崎選挙区

自民現職の松下新平氏が一歩リードし、立憲新人の黒田奈々氏が猛追している。国民新人の黒木章光氏、共産新人の白江好友氏が追い上げを図る。

鹿児島選挙区

自民現職の野村哲郎氏が先行し、立憲新人の柳誠子氏が追う。

沖縄選挙区

無所属現職の伊波洋一氏と自民新人の古謝玄太氏が横一線で激しく争う。

調査の概要

調査は6月17日から21日にかけて、無作為に発生させた電話番号に架電するRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で実施し、全国45選挙区で計27,254人から回答を得た。この調査データをもとに、態度未定者の動向を予測するモデルで想定得票率などを算出した。その結果を加味して、現時点における全ての選挙区の情勢分析をまとめた。

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