成果文書を採択へ 核兵器禁止条約締約国会議 最終日

連日、お伝えしている核兵器禁止条約の締約国会議です。オーストリアのウィーンからです。

小林康秀キャスター
「締約国会議が行われているウィーン国際センターの会場です。多くの人が、10分後に始まる会議に詰めかけているという状況です。この会議を取材して思ったのは、さまざまな分野の人が出席しているということです。条約に参加している国々、オブザーバー参加している国々、NGOのみなさん、被爆者のみなさん、若いみなさん、さらに平和首長会議のみなさん、そういったさまざまな方が参加していることです。国連の中満泉事務次長によりますと、当初、想定していた500人の倍、1000人を超える参加者があって、新型コロナが落ち着いたことだけではなくて、この問題に対する関心の高さという話でした。では、2日目(22日)の会議の模様をご覧ください」

RCC

「締約国会議・2日目(22日)が終わりました。日本のように核の傘にいるため、条約に参加していないものの、オブザーバー参加している国が発言しました」

RCC

ドイツなどは、「核抑止力が重要である一方で、ロシアのウクライナ侵攻で核の脅威は高まっている。批准国ではないが、締約国会議に参加し建設的な対話をしたい」と発言しました。

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また、紛争問題に取り組む若者が発言する場面もありました。代表してスピーチしたイタリアの学生は、「こういった国際会議の場に若い世代を参加させなければいけない」と訴えました。

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学生はスピーチ後、「対話をしていくことが必要だ」とその思いを語りました。

締約国会議では、核兵器をめぐって、それぞれの国が置かれた立場などについて、議論が続いています。

RCC

最終日の23日は、行動計画と政治宣言が作られる見通しです。ウクライナを侵攻したロシアへの批判が、どこまで盛り込まれるのかが焦点となっています。

小林康秀キャスター
「VTRに出ていたイタリアの学生も話していたんですが、こういった場に若い世代が参加することによって、政治や核兵器に対する若い世代の関心が広がっていくのではないか、こういうことが大事なんだと強く訴えていました」

「この締約国会議ですけども最終的には行動計画・政治宣言の両方が出ます。行動計画については、核を廃棄するプロセス。たとえば10年間という期限であったり、なにか不測の事態が起こった場合は5年間延長したりと、そういった部分が決まりつつあり、発表される見通しです」

「そして、政治宣言(ウィーン宣言)の中にウクライナへのロシア侵攻がどれくらい盛り込まれるかというところです。ロシアという国を名指しすることが、どうもない見通しです。一方で、今回のウクライナ侵攻について『最近、起こったできごと』といった書き方をするという話もあったんですが、その文書に対してもロシアに近い国々から反発が出ていて、使われない見通しです。少々、マイルドになる可能性はあります。最終的にどういう形になるのか、このあと、会議が始まります。また、あす、お伝えします」

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