まちなかで暮らすカルガモ親子のその後…かわいいヒナ10羽いったいどこへ 待っていた悲しい現実

福井新聞掲載から2週間後のカルガモ親子=6月22日、福井県福井市

 福井県福井市宝永3丁目の養浩館庭園近くの用水路で過ごしているカルガモ親子。福井新聞の取材から約2週間後の6月22日、近くを通りかかり様子を見に行ってきた。みんな元気かな?

 スイスイと泳いでくるのを待っていたけれど、一向に姿が見えない。諦めようか…と思ったその時、置物のように止まっていたものが動いた。発見。コンクリートの上で休憩中のようだ。

⇒痛恨の設計ミス?ぎゅうぎゅうの子ツバメに大反響

 前回とは様子が大きく違う。6月上旬には10羽のひなが元気に泳いでいたのに、親鳥の隣りには2羽だけ。上空を見上げると天敵カラスがいた。

 福井市自然史博物館の鳥類専門学芸員、出口翔大さんによると、カルガモは10個ほどの卵を産み育てる。ただ、カラスやイタチ、小さなひなだと蛇などに食べられてしまう可能性があり、“オトナ”になれるのは「はっきりとしたデータはないが2、3羽程度」。秋には親鳥と同じぐらいの大きさになり、早くて1年後には繁殖するという。

⇒水族館になぜフラミンゴ?ママの疑問に答えます

 前回と親子と、今回の親子が同じ個体か断言はできないものの「子育て中はひなが遠くまで移動できない」(出口さん)ため、同じ個体の可能性が高いという。

 生き残ったひな2羽は前回よりも大きくなっていた。どうかこれからも元気で、無事に“オトナ”になってほしい。

© 株式会社福井新聞社