ヒスイを「県の石」に 県第1回検討委「妥当性あり」 方向性固まる

 有識者による「翡翠(ひすい)の『県の石』指定に係る検討委員会」の第1回会議が24日、県庁で開かれた。ヒスイを「新潟県の石」に指定することの妥当性や効果などについて検討し、「妥当性あり」との見方で一致した。今後は報告書を策定、次回会議(実施時期未定)で諮って了解を得た後、県知事に提出する方針。

県議会での請願採択を受け、第1回「翡翠(ひすい)の『県の石』指定に係る検討委員会」が開かれた(24日、県庁)

 「県の石」指定をめぐっては、ヒスイの産地として知られる糸魚川市で活動が活発化。同市内のNPOや商工会議所などがつくる「翡翠を新潟県の石にする会」が4万2892筆の賛同署名を集め、県議会2月定例会に請願を提出し、全会一致で採択された。
 検討委は請願の採択を受けて設けられたもの。「翡翠文化(考古学)」「岩石学・地質学」「環境(保護)」「教育・研究」「観光」「情報発信」の各分野の専門家を委員に迎え、長岡市立科学博物館館長で県考古学会会長の小熊博史氏が座長に就いた。
 第1回委員会では、請願の内容をあらためて確認した上で、ヒスイの特色や歴史・文化などを踏まえ、委員がそれぞれの専門的な見地から検討した。
 同日示された県内市町村からの意見については、「本県が優位性や独自性を持っているか」「本県を象徴するシンボル(県の石)としてふさわしいか」という設問に対し、否定的な意見はなかった。
 終了後、小熊座長は報道機関の取材に応じ、「全体として、(ヒスイの県の石指定は)『妥当性はある』という形でご意見をいただいた。一方で環境保全など、これから調整を考えていかなければならない問題も見えてきたと思う」と初会合を振り返った。

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