街路灯の撤去費など考慮、商店街が解散へ 既に明かり消え

撤去される岬陽商店街の街路灯=三浦市内

 三浦市・三崎地区の岬陽商店街が解散することが24日、分かった。加盟店が減少する中、管理する街路灯の撤去費用などを考慮して2022年度中の解散に踏み切ったという。街路灯は防犯上の役割も担っており、住民からは不安の声が出ている。

 岬陽商店街は、県道横須賀三崎線の城ケ島入口交差点から三崎港方面へ約600メートルの道路沿いを中心にしたエリア。三崎漁港がマグロ船でにぎわっていたピーク時には約90店が加盟していたが、現在は30店ほどに減少してしまった。

 郊外型スーパーの出店などに加えて新型コロナウイルス禍の影響もあり、加盟店の状況は厳しい。このままでは商店街活動を続けるのは難しいとして、昨年10月の臨時総会で23年3月までに解散することを決めた。負担軽減のためコロナ後は会費を半額に抑え、今年は徴収していない。

 同商店街によると、解散に踏み切った理由の一つが街路灯の撤去費用だった。沿道の街路灯26本を維持管理してきたが、解散後は撤去しなければならない。その費用は約250万円に上る。

 解散する商店街が街路灯を撤去する場合、隣接する横須賀市では250万円を上限に撤去費用の50%を補助する制度があるが、三浦市にはない。茶葉販売店を営む会長(83)は「解散は残念だが、今なら何とか撤去費用を工面できる」と話す。

 撤去作業は7月から始まる予定。準備のため、既に明かりは消えている。

 街路灯のある場所に防犯灯は設置されておらず、撤去後も防犯灯が新設される予定はないという。近くに住む住民は「明かりがないと心配。通行人の安全を確保するため、市はできるだけ早く防犯灯を設置してほしい」と求めている。

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