イームズロボティクス、1500m通信可能なリモートID送信機開発。物流ドローンや歩くドローンのプロトタイプ展示[JapanDrone 2022]

数少ない国内ドローンメーカーとして高品質なドローンの開発・販売を手掛けるイームズロボティクス。農業用または測量用ドローンのイメージが強かった同社だが、ブースでは新開発したリモートID端末やLTE通信モジュール、物流用ドローンのプロトタイプなどが展示されていた。

注目のEAMSリモートID送信機は、1500mの最大通信可能距離を実現した端末。防水・防塵(IP54相当)機能も搭載し、1時間の充電で8時間以上の稼働時間を誇る。1500mの長距離通信は万が一の機体ロストの際に機体捜索にも活用できるという(要受信機)。

EAMSリモートID送信機。来場者の問い合わせもたくさんあるとのこと。Best of Japan Drone Award 審査員特別賞も受賞した

物流機はNEDOのプロジェクト内で開発したプロトタイプ。流線型の美しいボディデザインを持ち、空気抵抗を減らすことで航続距離の延長に貢献しているそう。基本フレームはイームズロボティクスの農薬散布ドローン(容量10L)をベースとしており、10kgのペイロードを実現している。

物流用ドローンプロトタイプ NEW E6150FL。最大ペイロード10kgを誇る
機体上部のカウルを開けるとバッテリー収納スペースがある

また、産業用機械などを開発するTHKと共同開発中の「歩くドローン」も参考展示。4本の脚が生えた珍しい形状のドローンで、通常ドローンは水平かつ平面でないと離着陸することが難しいが「歩くドローン」は不整地での離着陸が可能。そればかりか、脚を使って地上を歩いたり、アームを取り付けることで物を掴んだりすることもできる。

「歩くドローン」プロトタイプ。歩きだすとブース周辺の来場者が食い入るように見ていた

ドローン・ジャパンと協同で各ドローン関連企業の技術連携が可能なプラットフォームを形成するための「ドローン オープンプラットフォーム プロジェクト」を発表したイームズロボティクス。この中には、主要国内メーカーのACSLやPRODRONEも参画しており、国内ドローン関連の製品・サービスの社会実装を加速させる重要な舵取りを担っていく同社の動きに今後も注目だ。

▶︎イームズロボティクス

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