フィリーズ・アッペルがメジャー昇格 2013年ドラフト全体1位指名

日本時間6月26日、フィリーズは救援右腕コナー・ブログドンを新型コロナウイルス関連の故障者リストに登録し、マイナーAAA級リーハイバレーから30歳の右腕マーク・アッペルを昇格させたことを発表した。アッペルは2013年のドラフトでアストロズから全体1位指名を受けた元有望株。しかし、プロ入り後は思うような活躍ができず、メジャー昇格を諦めてユニフォームを脱いだ時期もあった。ドラフト全体1位指名を受けてメジャーでプレーできなかった3人のうちの1人に数えられていたが、30歳にしてメジャー昇格の日がやってきた。

アッペルは2013年のプロ入り以降、アストロズとフィリーズのマイナーで合計5シーズン、プレーしたものの、高額の契約金でプロ入りしたことによるプレッシャーや度重なる故障に悩まされ、野球を楽しむことができなくなった。そんななか、2018年2月に26歳の若さで現役引退を表明。スティーブン・チルコット(1966年メッツ)、ブライアン・テイラー(1991年ヤンキース)に次ぐ史上3人目の「メジャーでプレーできなかったドラフト全体1位指名選出」として球界から姿を消した。

しかし、数カ月後には現役復帰について考え始めるようになり、昨季フィリーズのマイナーで現役復帰が実現。マイナーで防御率6点台に終わったものの、メジャー昇格への第一歩を踏み出した。そして、今季はリリーフに完全転向し、AAA級で19試合に登板して5勝0敗5セーブ、防御率1.61の好成績をマーク。戦列を離れたブログドンの代役として、ついにメジャー昇格が実現した。

アッペルはプロ入り時に635万ドルの契約金を得たことを振り返り、「もしあの契約金を得ることができなかったら、私は今ここにいられなかっただろう。3年半も給料を得ずにリハビリをするなんて、そんな贅沢なことはほとんどの人にはできないからね」とコメント。「ここにいられることに本当に感謝している。私は野球が大好きなんだ。ここにいられることに感謝しているし、当たり前のことだなんて思っちゃいないよ」と感慨深げに語った。

ドラフト全体1位指名のプレッシャーや右肩の故障を乗り越え、ついにメジャーの舞台に辿り着いたアッペル。一度は現役引退を選択したものの、野球を愛する気持ちが消えることはなかった。プロ入りから9年もの時間を要したものの、来月には31歳の誕生日を迎えるアッペルのメジャー生活がいよいよ幕を開ける。

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