伊藤岳氏、8回目での当選で勝敗を分けたポイントとは?共産党のキーパーソンとライブチャットまとめ【参院選2022】

選挙ドットコムは7月10日に投開票が行われる参院選に関連して、YouTubeにて「各党キーパーソンとライブチャット」企画を実施しています。

6月25日に実施された第2回のキーパーソンは共産党・伊藤岳参議院議員。MC鈴木とゲスト井上咲楽さん、選挙ドットコムTwitterの質問箱、そして生放送中のチャット欄から質問を伊藤氏にぶつけました!

気になる質問と回答の一部をこちらで公開いたします。

Q. 共産党は何議席獲得する?

共産党・伊藤岳参議院議員(以下、伊藤氏):

今回、共産党の改選議席は、比例で5議席、選挙区で東京1議席です。
少なくとも改選議席6議席を上回りたいと思っていますし、6を7に、6を8にと、今がんばっている最中です。

Q. 7回落選されて、それでも挑戦するメンタルの強さの秘訣は?

伊藤氏:

私は国政選挙に挑戦して8回目で当選して、巷では「七転び八起きの男」と呼ばれました。議員会館の部屋には「七転び八起き」の額が飾ってあります(笑)。

それはさておき、私を含め、共産党の候補者でなかなか1回で当選する方はいません。

私たちは戦争の時代から反戦平和の旗を降ろさなかった歴史を持っています。
戦争の時代は反戦平和というだけで牢屋につながれたり、その日のうちに虐殺されたりしました。
戦って反戦平和、自由と平和の世の中を勝ち取らなければ、自分も周りの若者もこの世の中で生きていけないという強い覚悟が、私たち先輩を活動や戦いに駆り立てたのだと思っています。

その歴史を今日に受け継ぐ共産党議員として、戦って活動して、(今は)平和と自由を勝ち取らなければ、生きられないということはないけれど、自分のくらしや平和を守ることができない、という強い覚悟が1番のメンタリティだなと思います。

(8回挑戦したこと)このことだけは息子にも褒められています(笑)。

Q. 8回目で当選できた勝敗を分けたところは?

伊藤氏:

私たち共産党は、時の権力を握っている政党に立ち向かう立場ですので、攻撃を受けるのは常であり、権力を握っている政党に立ち向かうことの宿命だと思っています。

そういう政党が選挙の勝ち負けを決めるのは、その攻撃される真実の共産党の姿を知ってもらう努力が成功した時に、私たちは浮上できると思っているんですね。

私たちの主張を知ってもらう努力、これが私たちの選挙の勝敗を決めると思うんですね。

Q. 共産党にとっての激戦区を3つ教えて

伊藤氏:

改選の現職は東京だけなので、東京はまず第一の激戦区だと思います。
後2つあげろといわれれば、私は神奈川と埼玉だと思っています。

Q. 野党共闘が実らないのは共産党のせいのように言われることをどう思いますか?

伊藤氏:

2015年の安保法制成立以降、この国に憲法と相容れない法律が出てきた、この法律を廃止する一点で野党共闘を始めようと呼びかけてきて、私たちからは野党共闘の門戸を閉ざしたことはありません。

私たちは野党共闘が実るよう努力してきた自負もありますし、実際努力もしてきました。

今回も32の1人区がありますが、約半数で野党が協議をし、候補者の一本化をしていますし、共通の政策も結びあっています。

そういう努力をしている共産党が野党共闘がうまくいかない原因と言われるのはちょっと筋が違うと思っています。

むしろ、野党は時の権力に立ち向かう政党なのですから、権力の側から攻撃をされていることが野党共闘の局面での困難さを作り出している要因ではないかと思います。

野党共闘に対する攻撃も決して事実に当たらないものがけっこうありますので、正しくお伝えしていきたいです。

Q. れいわ新選組とは折り合いがつきませんか?

伊藤氏:

折り合いがつかないどころか、市民連合さんの仲立ちで、日本共産党と立憲民主党、社民党、れいわ新選組4党がお互い今回の選挙で協力しようと前向きな歩みを始めています。

おおいに共闘できる相手だと思っているし、共闘を進めていきたいと思っています。

私たちは市民連合が仲立ちした共通政策をお互いで結び合って、お互いの政策の実現のために、参院選なので政権を取る選挙ではありませんが、政治を前に進める立場でがんばっていきたいと思います。

Q. 共産党は政策を見やすく表示したパネル、パンフレットがわかりやすい。何を参考にしている?

伊藤氏:

共産党本部の中に政策宣伝スタッフが相当数いて、地方議員や党員、サポーターの意見を聞きながらいいデザインに仕上げています。自慢のひとつです。

いろんなデザインの専門家の知恵をいただきながら政策宣伝のグッズをいいものにしようと努力し、野党共闘で一致する政策を広げながら宣伝物を作っています。

Q. 与党に学ぶべきところはどんなところ?

伊藤氏:

攻撃する気概、これは学ぶべきところだと思います。

政策論争、議論ということであれば受けて立ちたいと思いますし、そういう与党の矜持に基づいて正々堂々と政策を挑んでこられる気概というのは、常に学ばさせていただいてます。

Q. 財源の積み上げは党内でどう言う議論をしているんですか?

伊藤氏:

財源の問題は、今回の選挙の争点だと思っています。

軍事費を2倍にしようとなったら私たちの生活にどれだけ影響するか調べたら、消費税なら12から15パーセントにしないと財源が出てこない。
医療費だと現役世代の負担を現状の3割から6割負担にしなければこのお金は出てきません。

財源は本当に大事で、何にどう使うか、何の無駄を削って国民の暮らしに回すのか、非常に大事な問題だと思います。

今回、共産党は「戦争する国にはさせない」ということで軍事費増強に反対するけれど、軍事費を倍にしたら国民の生活が潰れてくる、ということでもあります。

しっかりした財源の裏打ちされた政策を訴え抜いていきたいと思います。

Q. 防衛費増額しなくても日本は守れるの?

伊藤氏:

まず言いたいのは、国を守るためにというのはどこの政党も同じ立場だと思います。

国を守るために軍備を増強するという論調が今回多いけれど、軍備を増強すれば、軍備費を倍にしたらどこからも攻められなくなるのかというとそうではない。
単純な抑止力にはなりません。

では、共産党が何が一番大事かと考えているかというと、そもそも相手の国から日本を攻められる材料を作らない、日本を戦場にしない日常不断の外交の努力をどれだけするかと言うことです。

ASEANでは友好協力条約をお互い結び合って、意見の対立は対話や会議で解決すると取り決めています。
会議を年間1000回ほどやるそうですけれど、意見が分かれた場合は会議で解決し、意見の対立が紛争に発展しない地域になっているのです。
ASEANはこのしくみを東アジアに広げ、お互い友好協力条約を結び合って、意見の対立は力による現状変更でなく、徹底した対話による解決を目指しています。

こういう方向にこそ平和の未来があるんじゃないかと思います。

Q. 視聴者にメッセージをお願いします

伊藤氏:

話し足りないところもありましたが、後は党のホームページなどをご覧ください。

アーカイブ視聴はこちら!

動画本編のアーカイブはこちらからご覧いただけます!

第4回の「各党キーパーソンとライブチャット」は、6月28日(火)20時から公明党・山口那津男代表を招いて実施いたします。

事前の質問をTwitter質問箱にて受け付けております。

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