黒色ヒマワリ 金田一畑で満開 真備の横溝正史疎開宅前

金田一畑で満開になった黒色のヒマワリ

 探偵小説家の横溝正史(1902~81年)が戦中戦後に暮らした疎開宅(倉敷市真備町岡田)前にある「金田一畑」で、住民が丹精込めた黒いヒマワリが今年も満開になった。名探偵金田一耕助が活躍する人気シリーズの世界観さながらの、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。7月上旬まで楽しめるという。

 畑では、高さ1~2メートルほどの約140本を栽培。疎開宅を管理する住民らが、昨年咲いたヒマワリの種を一角(約40平方メートル)にまき世話をしており、今月10日ごろから順次開花を始めた。炎天下に黒い大輪の花を咲かせ、地元や県内外からの観光客らを魅了している。

 父親らと観賞した市立岡田小1年の女児(7)は「初めて見た。大きくてきれい」と見入っていた。

 地元住民でつくる疎開宅管理組合の浅野昭江組合長(78)は「黒色ヒマワリを育て続けると、一部黄色も交ざってきた」と“ミステリー”の一端を披露。「アフターコロナで多くの人に楽しんでほしい」と笑顔を見せる。

© 株式会社山陽新聞社