耐震工事で病床155床使えぬ恐れ 県立中部病院、8月から来年3月 地域医療崩壊の懸念

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 沖縄県が8月中旬から予定している、県立中部病院南病棟の耐震補強改修工事の影響で、工事予定期間の2023年3月ごろまで155病床が使えなくなる可能性がある。県内医療機関の病床は慢性的に余裕がなく、新型コロナウイルスの流行が拍車を掛けている状態だ。県医師会(安里哲好会長)は「医療提供体制に混乱が生じ、地域医療が崩壊しかねない」と指摘する。

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 県病院事業局などによると南病棟は1981年に建設され、約4年前から耐震補強工事を検討している。病棟に患者を残したまま工事を進める方法では業者が対応できず、21年に入札が2回不調となった。
 その後、県は病棟を閉鎖する工法に変更した。今年7月までに入札や契約を済ませ、8月中旬から着工、年度内の完成を予定している。着工までに病院全体で患者の退院促進を図るが、救急患者の入院体制に変更はないという。
 県医師会によると、工事期間中の入院患者の受け入れ場所など、県と協議する場は一度も開かれていないという。
 安里会長らは28日、南風原町の県医師会館で会見を開き、関係機関の理解を得た上で工事を進めることを求めた。同日、県病院事業局の我那覇仁局長と意見交換し、協議会の設置などを求める要請文を手渡した。
 県病院事業局によると、4月以降に17医療機関や中部地区医師会、県医師会に入院患者の受け入れを要請してきた。
 県医師会の中田安彦常任理事によると、医療機関側は正式な要請と受け止めておらず、記録に残る文書などもないという。中田常任理事は「本来は病床数を議論する医療提供体制協議会などで話し合う内容だ。現場の意見がくみ取られてない」と述べた。田名毅副会長は「各病院で病床を増やしてと言われても細かい調整もない。最終的に影響を受けるのは患者だ」と指摘した。
(嘉陽拓也)
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