乗り合い送迎「チョイソコうんぜん」 7月全域運行 新規増やし持続性確立

チョイソコうんぜんの停留所パネルをごみステーションに取り付ける雲仙市の担当者=同市千々石町

 長崎県雲仙市は高齢者の外出支援で、市北部の国見町-愛野町で実証運行してきた乗り合い送迎サービス「チョイソコうんぜん」を7月1日から本格運行に移行する。運行エリアを市南部の千々石町-南串山町まで広げて市内全域をカバーする。
 「チョイソコ-」は自宅近くのごみステーションや公民館、スポンサー事業所などを停留所として活用。病院や店舗がスポンサー契約すれば停留所として登録され、運行の利便性が高まり、スポンサー収入で市の負担金支出が軽減される仕組み。
 実証運行は市と長崎トヨペット、市内タクシー事業者などで運営協議会をつくり、2020年10月から今年6月末まで市北部で実施。約千人が会員になり、延べ約1万2500回の利用があった。スポンサーは22社集まった。
 7月からは市内を4区間(国見-瑞穂、吾妻-愛野、千々石-小浜、小浜-南串山)に分けて、各区間に乗客定員6人の乗り合いワゴンタクシーを1台ずつ走らせる。隣の区間への乗り継ぎも可能。開始時の停留所は約650カ所で、新規スポンサーを募って増やしていく。運行時間は月-土曜の午前9時~午後5時。会員登録が必要で、区間内の1回の運賃は小学生以上200円。
 利用希望者は乗り降りする停留所や到着したい時間を予約センターに電話で伝える。センターで人工知能(AI)を活用して最適な運行ルートを割り出す。
 市は毎年度、運営負担金として約4500万円の支出を想定。担当課は「より多くの地域スポンサー企業の協力を得ながら、持続可能な地域交通を確立させる」としている。


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