「いくつもの偶然重なった」準絶滅危惧種ミズアオイの群生出現 栃木・渡良瀬遊水地

群生するミズアオイ

 【栃木】渡良瀬遊水地の第1調節池内ヨシ原浄化施設東ブロック内で、準絶滅危惧種の「ミズアオイ」数百株が青紫色の小さな花を咲かせ、関係者を驚かせている。渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団によると、現場に堆積していた土砂を取り除く工事によって土がかき回され、埋まっていた種が発芽したとみられ、日当たりや水の量など「いくつもの偶然が重なった結果」という。

 ミズアオイは一年草で、高さ20~40センチ。湿地や水田に生え、8~10月に花を咲かせる。昔は菜葱(なぎ)と呼んで食用にしていたというが、農薬や環境の変化に弱く全国的に数が減少。同遊水地内でもほとんど見られないという。

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