【中野貴史さん(道の駅 漢学の里しただ 駅長)】目的地にしてもらえる道の駅を目指して

漢学の里しただ_中野さん
プロフィール中野 貴史(なかの たかふみ):三条市出身。農家に生まれ育ち、高校卒業後は自動車部品工場に勤務しながら、農業への夢を育む。「道の駅 漢学の里しただ」を運営する株式会社下田郷開発に入社し、2022年から駅長に就任。農産物加工やイベント開催などに取り組み、道の駅を盛り上げている。

ガタチラスタッフ:『新潟人105人目は「道の駅 漢学の里しただ」駅長の中野貴史さん。「いつか実家の農業を継ぎたい」という想いを抱きながら、その夢に向けて農産物などの6次産業化を勉強中の中田さん。駅長として、道の駅を盛り上げようと奮闘する苦労や想いに迫ります!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』

農業への夢、ただいま修行中

─ずっと三条市で過ごしているのですか?

中野さん:車が好きだったので高校卒業後は自動車部品の工場に入社し、1年間だけ群馬へ転勤していました。それ以外はずっと三条市ですね。群馬にいた時に、真冬でも農作業をしている農家を見て、「ここでは農業だけで食べていけるのか」と感銘を受けました。そこで農業を真剣に考えるようになったんです。

─農業に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

中野さん:実家が米農家なんです。「いつかは実家の農業を継ぎたい」という想いを持っていましたが、まずは農業の6次産業化を学びたいと思いました。その時に「漢学の里しただ」のオープニングスタッフ募集の求人を見つけて、ここなら農産物の加工・販売が学べると思い、入社しました。

漢学の里しただ_ごんぼっ葉

6次産業化を通じて下田の魅力を発信

─今後に向けて勉強中ということなのですね!

中野さん:そうですね!道の駅では様々な加工品を作っています。人気商品で言うと、圧倒的に笹団子ですね。

─笹団子には何か特徴があるのでしょうか?

中野さん:普通はよもぎの葉を使いますが、下田の笹団子は「ごんぼっ葉(オヤマボクチ)」というヤマゴボウの葉を使います。包む笹の葉も下田産を使っており、富山名物の「ます寿司」にも使われているほど、全国的にも質の良さが有名です。作り手の高齢化で生産数が減っているので、代わりに道の駅で量産できるようにしています。おかげさまで、道の駅の目玉商品に育てることができました。

─今日も店頭の笹団子はすでに完売するほどの人気ですね…!

中野さん:昔は田植えが終わると、地元のおばあちゃんたちが笹団子を作って、手伝ってくれた人や親戚に配るという風習がありました。そのことから、当駅でも毎年6月は「笹団子月間」として販売を強化しています。購入しに来られる方も多いですが、地方発送も多く取り扱っているんです。現在は笹団子以外にも、まんじゅうやプリンなど多くの当駅オリジナルの商品を開発し、道の駅へ来られるお客様が増えました。

漢学の里しただ店内

─6次産業化はハードルが高いイメージがありますが、どのように感じましたか?

中野さん:道の駅に農産物を納めてくださっている農家さんも、メインは農作業となり、加工品に取り組んでいる方はごく一部です。下田にある「こくわ屋藤兵衛」さんは、「こくわの実」の栽培と実のペーストを使ったカレー屋さんを展開しており、こくわ屋さんのような取り組みが理想です。

─どんなお客様が多いですか?

中野さん:近隣市や新潟市の方が多いですね。温泉に行くついでに立ち寄る方や山菜や笹団子の時期には朝から行列ができています(笑)。どこかに行くついでに立ち寄れる立地ではないので、目的地にしてもらわないといけません。そのためにイベントなど、ここに来てもらえるような取り組みに力を入れています。

─最初の頃は苦労が多かったのではないですか?

中野さん:最初は右も左も分からない中でやっていたので、正直大変でした(笑)。売り場のレイアウトは各地の道の駅へ視察に行き、「売れる」売り場づくりを意識しています。

─自ら勉強しに行かれていたのですね。

中野さん:常にアンテナを張って、参考になるものを意識しています。最近は「生はちみつソフトクリーム」が人気なのですが、ある施設で見かけたメニューをヒントに地元産のはちみつをいろいろな種類から選べるように商品化しました。自分のアイディアが商品化され、お客様に喜んでもらえるのは嬉しいですね。

漢学の里しただ笹団子

地元の人たちとの結びつきを大切にしたい

─プライベートの過ごし方について教えてください!

中野さん:下田に来てからは地元の方々との関りが深くなり、趣味が増えました(笑)。狩猟免許を取ったり、渓流釣りをやったり、地元の山を登ったりしています。最近は、疲れて家にいることが多くなりましたけど…(笑)。

─中野さんにとっての「下田の魅力」とは何ですか?

中野さん:食と自然があり、本当に恵まれた場所です。キャンプ場、温泉、登山、名水など自然が溢れています。ここに来たからには、何とか下田を盛り上げたいと思っています。

─今後挑戦したいことや目標はありますか?

中野さん:これからもたくさんのアイディアを出して、目的地としてお客様に来てもらえる道の駅にしたいです。笹団子はもちろん、手打ち蕎麦、山菜、ジビエ肉、鉄まんじゅうなど、ここにしかない商品があるという当駅の強みを多くの方に知ってもらいたいです。イベントも毎月開催していて、夏はファミリー層向けのイベントを考えています。イベント情報はSNSでも発信しているので、ぜひチェックしていただいて足を運んでいただきたいです!

漢学の里しただ外観

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道の駅 漢学の里 しただ
住所:三条市庭月451-1
電話:0256-47-2230

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