6・29災害から23年 豪雨を中学生が体験 備えを学ぶ

梅雨は明けましたが、夏場は、大雨への備えが欠かせません。広島市の中学生が防災学習で「災害級の大雨」を体験しました。

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中国地方整備局が導入した「降雨体験機」で、大雨を経験する中学生…。広島市安佐南区・八木にある城山北中学校では、県と中国地方整備局による防災教育が行われました。

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周辺は、8年前の広島土砂災害で住宅地に土石流が流れ込んだ被災地でもあります。

末川徹記者(気象予報士)
「この生徒たちに混じって、降雨体験機を体験できるということで、雨の状況をリポートしたいと思います」

体験機は、雨の量を段階ごとに調節することができます。

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末川記者
「上の方からかなり大粒の雨が降りはじめてきました。1時間に100ミリほどの雨が降ってきました。滝つぼの中にいるような感覚です」

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広島土砂災害では、学校から7キロほど離れた三入観測所で、1時間に100ミリを超える雨を観測しました。

末川記者
「1時間に100ミリほど雨が降ると、雨具を着ていても、どんどん雨が入ってくる感じがしました。ものすごく怖さも覚えました」

生徒たち
「初めて体験したけど、思ったよりも激しくて、傘が壊れてしまうのではと心配になった」

「今回は1分と短かったけど、あれが何時間も続いて災害が起きると思ったら、やっぱり怖いなという気持ちはあった」

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県は、この6月を「土砂災害防止月間」と定め、子どもたちに災害への関心を持ってもらうための取り組みを続けています。

土石流が流れ込むこちらは、23年前の6月29日、発生した土石流の映像です。

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県内を襲った集中豪雨は、広島市や呉市の山沿いを中心に土石流などを引き起こし、32人が亡くなり、家屋の全半壊は169戸に上りました。

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この災害をきっかけに、国は「土砂災害防止法」を制定し、災害と向き合う街づくりのきっかけとなったのです。

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生徒たちは、8年前の土砂災害の被災地に向かいました。災害発生後から中国地方整備局が整備を進めてきた砂防ダムを見学し、土砂災害のメカニズムなどについて学びました。

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中国地方整備局 国時正博副所長
「(生徒たちが)8年前といったら記憶がないかもわからないが、昔、大きな土砂災害があったことをしっかりと学んでもらって、雨が降ったときは避難するなど、地域が砂防ダムで守られていることを学んでもらえれば」

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異例の早さで梅雨明けした広島県内…。ただ、災害が激甚化する今だからこそ、大雨への備えを忘れてはいけないことを学びました。

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