栃木県内猛暑日続く 佐野で39.6度観測 熱中症で30人搬送

今年初の熱中症警戒アラートが発表され、栃木県庁前に設置された立看板=29日午後4時35分、栃木県宇都宮市塙田1丁目

 29日、栃木県内は太平洋高気圧に広く覆われ、各地で気温が上昇した。佐野は6日連続、宇都宮と小山は5日連続で35度以上の猛暑日となり、統計開始以来6月では史上最長記録となった。

 宇都宮地方気象台によると同日、県内は14観測地点のうち7地点で猛暑日、6地点で30度以上の真夏日を記録した。

 猛暑日となったのは佐野39.6度、小山38.2度、真岡37.6度、宇都宮37度など。

 真岡と黒磯34.6度、土呂部32.2度、奥日光28.9度の4地点は6月の史上最高気温を記録した。また小山と塩谷34.8度も今年の最高気温となった。

 県は同日、熱中症警戒アラートが県内で今年初めて発表されたのに合わせて県庁前に看板を設置。熱中症の危険性を示す「暑さ指数」が最も高い「危険」レベルに達する予報が出ているとして、注意喚起した。

 栃木県消防防災課は29日、同日と28日に男女2人が熱中症の疑いで救急搬送され、いずれも重症だったと発表した。

 真岡市で28日午後3時半ごろ、男性(31)が工場の検品作業中にめまいと吐き気を起こした後、意識を失うなどしたため、同僚が119番した。

 小山市では29日午後1時ごろ、独り暮らしの女性(80)が自宅居間で倒れているのをヘルパーが発見し119番した。エアコンは使用していなかった。

 このほかにも29日は午後4時までに熱中症の疑いで7歳~75歳以上の29人が救急搬送された。中等症が7人、軽症22人だった。

栃木県庁前に設置された熱中症警戒を呼びかける看板=29日午後4時35分、栃木県宇都宮市塙田1丁目

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