女性の恋のため、オスロの時間が止まる デジタル処理は一切なし 「わたしは最悪。」本編映像

7月1日より劇場公開される、第94回アカデミー賞で脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされ、カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した映画「わたしは最悪。」から、主人公の恋のために世界の時間が静止するシーンの、本編映像が公開された。

学生時代は成績優秀で、アート系の才能や文才もあるが、決定的な道が見つけられずにいるユリヤ。そんな彼女に年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティにまぎれ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンと出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生における主役の座をつかもうとする。

公開された本編映像は、アクセルとユリヤがいつもの朝を迎える姿から始まる。しかし、ユリヤがキッチンのライトをつけた瞬間、世界のすべての時間が止まってしまう。戸惑いながらもすべてが静止した美しいオスロの街中に飛び出すユリヤ。真っ先に向かったのは、パーティで出会って以来、心から離れなくなってしまっていたアイヴィンがいる場所だった。

ヨアキム・トリアー監督は、時間が止まってしまうシーンを「とてつもなくロマンチックなシーン」「一夫一婦制の境界線を楽しみながら<でも、すべてを止めて、恋人と異なる時間軸にいたい>というユリヤの気持ちの揺れを表現したものだ」と明かしている。また、静止のシーンはデジタルではないリアルな撮影で作り上げられた。「デジタルの効果も使いたくなかったから、本物の人間がじっと立ち、風は木立や人間の髪を揺らしているんだよ」「この場面は究極のロマンチックなファンタジーだよ」と、こだわりを語っている。

「わたしは最悪。」は、思い描く理想の未来とシビアな現実との間で揺れ動きながらも、自分の気持ちに向き合い行動する主人公ユリヤとその周りの人たちを、時にロマンティックに、時に痛烈に描き出した作品。「テルマ」「母の残像」のヨアキム・トリアーが監督を務め、主人公ユリヤを演じたレナーテ・レインスヴェが、カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。

【作品情報】
わたしは最悪。
2022年7月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他 全国順次ロードショー
© 2021 OSLO PICTURES - MK PRODUCTIONS - FILM I VÄST - SNOWGLOBE - B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA

© 合同会社シングルライン