20代の起業家が求める、選択肢を広げる教育とは 就活に追われる大学生活に必要なこと #参院選

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月24日(金)放送の「モニフラZ議会」では、Z世代の論客が、来る参院選に向け“政治に求めるもの”について議論しました。

◆再生エネルギーへのシフトが平和への一助に

去年の衆院選や、今夏の参院選に向けて「堀潤モーニングFLAG」では、Z世代の番組コメンテーターたちが日本の未来に向けた提言を発表しましたが、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんが訴えていたのは「10代・20代への投資」。

その理由について、古井さんは「10代・20代に向けた政策はあるようでない」と解説。「例えば、社会保険を3年以上払うことで使える職業訓練給付金制度があるが、これも時間やエネルギーのある(社会人)1年目から使えるようにしたほうがいい。広い意味で10代・20代がさまざまな制度を使ってチャレンジできるようになれば」と話します。

そして、「職業訓練の補助はもっと手厚く」、「一度大学を出たらそこで終わりではなく、その先も描いていけるような制度があるといいなと思う」と希望。

再エネベンチャー Looop広報の坪井友里香さんが政治に求めるのは、「再エネでエネルギーの脱ロシア」。

坪井さんは「ロシアは輸出額の約6割がエネルギー関連」と言い、その輸出先には日本も含まれ、天然ガス9%、石炭11%程度ロシアから輸入しており、「私たちの払っている電気代の一部はロシアに行っている」と説明。現在はロシア以外の化石燃料産出国に注文が殺到し、その価格は軒並み暴騰。それが電気料金の上昇を促し、日常生活に影響を与えているだけに「これを機に化石燃料から脱却し、国産エネルギーでもある再生可能エネルギーへのシフトを今まで以上に強化していくべきでは」と主張します。

◆若者の選択肢を増やす教育を!

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんの提言は、「起業家教育の必修化」。なかでも"アントレプレナーシップ教育”の導入を求めます。これは「起業しなさい」という教育ではなく、「起業する過程で課題解決能力や複数の人と何かを成し遂げることなどを学ぶ教育で、フィンランドなどでは結構進んでいる」と解説。

例えば、小学校では「お金」に関する基礎的な知識を学び、中学校では「雇用」や「従業員」について。そして、高校では総括として「職業選択」について学ぶなど「私も高校のときは起業を知らないまま過ごしていたので、選択肢のひとつとして(起業を)教えてあげたい」と自身の学生時代を振り返りつつ助言します。

古井さんも「選択肢を増やすことが高校でもっと増えればいいなとすごく思う」と大きく頷きます。

政治に求めることについて街頭で話を聞いてみると「所得を上げてほしい。税金・物価が上がっていてきつい」(20歳 男性・美容師)、「もう少し稼ぎやすくしてほしい。バイトしても扶養を超えてしまう」(19歳 女性・大学生)、「人件費に関してもう少し協力してもらえたら」(19歳 女性・工場勤務)、「若い世代が動きやすいよう将来を見据えて財源を使ってくれる政治家がいい」(20歳 男性・大学生)といった声や、「政治家の給料を下げてほしい」(20歳 男性・美容師)、「学費を安くしてほしい」」(19歳 女性・専門学生)、といった意見もありました。

続いて、Z世代の提言と今回の参院選で各党が掲げている公約を比較。古井さんの「10代・20代への投資」、久保さんの「起業家教育の必修化」関連では、「スタートアップ支援」や「就職に向けた教育推進」、さらには「教育の無償化」や「奨学金の減免」を打ち出している政党もあります。

これらを見て久保さんは、主に理系の学生の苦難に言及。それは研究時期と就職活動期間が重なり、多くの学生が苦労しているとし、「学業においても重要な時間である一方で、人生が決まる大事な時間でもある。公約にはないが、海外で実施されている"ギャップイヤー”を導入するとより選択肢が広がると思うので、そうしたことも検討してほしい」と要望。

坪井さんも「2年間の大学院の中で、1年生の最初から就活で、2年間のほとんどが就活で終わってしまうと聞く。これはとても大きな問題」と指摘します。

古井さんは「学校(生活)や就職といったことではない部分に、実は重要なポイントがあると思う」と持論を展開。「いわゆる成果ではない部分、(小中高、大学といった)決められたルートではないところにこそ、若い人が何かをする幅や余白があり、それが大事。そうした部分にもっと目を向けるべき」と主張しました。

坪井さんも「レールが敷かれすぎていて、起業家を志す人が少ない」と言います。というのも、「レール上には全て模範回答があるが、現実は答えがあることのほうが少ない。道を切り拓いていかないといけないが、そういう教育が全然されていない」と案じます。

番組Twitterには「見ず知らずの若者が大学へ行くためのお金も税金で賄うのか?」という疑問が寄せられていましたが、キャスターの堀潤は「僕らが普段享受しているサービスは誰が開発しているのか。世の中には才能を持ったさまざまな人がいて、彼らに投資をし、それがサービスとして返ってくる。その投資行為だと思ってほしい」と訴えます。

そして、「誰かのためではなく、自分をよくするためにも誰かの多様性を支えてあげると生きやすくなる、そういう考え方が広がれば」と切望。

古井さんも「社会全体を良くしていくために必要なキードライバー、鍵になってくる存在がいて、そういった人たちが例えば地方の高校にいたり、チャンスがあるところにいるわけではないので、そこにより多くのチャンスを開くためのお金などを投入すると日本全体が上がってくると思う」と堀の意見に賛同していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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