夜の温泉街で一人宿探す20代女性を別の街のホテルに遠ざけた機転 福井の女性会社役員に警察から感謝状

黒田裕二署長(右)から感謝状を受け取る杉本和歌子さん=6月30日、福井県警福井署

 福井県警福井署は6月30日、家出してきた岐阜県の20代女性に献身的に対応して保護したとして、福井県大野市の会社役員、杉本和歌子さん(50)に感謝状を贈った。

 杉本さんは5月24日夜、JR芦原温泉駅の改札口付近で観光案内パネルを眺める女性に「この辺りで泊まれる場所はありますか」と声を掛けられた。女性一人で夜遅くに宿を探していることなどに違和感を覚え、福井市内のビジネスホテルへ車で送ることにした。

 車中で杉本さんは、女性が家族に黙って福井県に来たことを知った。「東尋坊に行こうと思っていた」などと自殺をほのめかす言動もあったことから、家族に無事を伝える電話をするよう促した。

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 その際、女性の親の電話口には岐阜県の警察が居合わせていた。「自殺をしようとしている可能性があるので、福井県の警察に通報してほしい」などと要請された杉本さんは福井署に連絡、迅速な保護につなげた。

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 同署で贈呈式があり、黒田裕二署長から感謝状を受け取った杉本さんは「自分ができる精いっぱいのことをしただけ。この先もいろいろあると思うけど元気でいてほしい」と話した。

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