スピード梅雨明け、初猛暑日…うだる長崎県内 「暑さ商戦」既に過熱

今年初の猛暑日となった県内。厳しい日差しの中、日傘を差して歩く市民ら=長崎市、鉄橋

 かつてない早さで梅雨明けが発表された長崎県。連日厳しい暑さが続き、1日は島原で35.1度と今年初の猛暑日を観測。熱中症で17人が救急搬送された。「今年は異常な暑さ」。県民からはうんざりといった声も聞かれる。県内の家電量販店や生活雑貨店では「暑さ商戦」が既に過熱気味。品切れや品薄の商品も出始めている。
 長崎地方気象台によると、1日は18の観測点のうち11地点で今年一番の暑さを更新。県消防保安室によると、搬送された17人(午後4時現在)の内訳は▽重症1人(佐世保市70代男性)▽中等症8人▽軽症8人。8人は65歳以上だった。梅雨明けが発表された6月28日以降、熱中症警戒アラートが出され、最高気温30度以上の真夏日が続いている。
 家電量販店エディオン長崎本店(長崎市浜町)では梅雨明け発表以降、エアコンや扇風機を買い求める客の姿が目立つ。松丸典正店長によると、6月24~30日のエアコンの売り上げ台数は昨年同期の約2倍。特に省エネタイプで10~14畳用の売れ行きが好調という。予約が殺到しているが、早い梅雨明けを見越して在庫を確保。工事は4、5日で完了できるよう調整している。

梅雨明け後の厳しい暑さでエアコンの売れ行きが好調な家電量販店=長崎市浜町、エディオン長崎本店

 エアコンが壊れて買い替えに来た同市東山町の松崎るみ子さん(82)は「異常に暑い。こんな早くに梅雨が終わるなんてない」と「最速」の夏到来に困惑の表情を浮かべた。
 明治創業の大曲洋傘店(同市浜町)は全商品の約8割が雨傘と日傘兼用。まぶしさや暑さを防ぐ遮光・遮熱機能付きが売れ筋で、男性客も多いという。近年の気温上昇の影響で春ごろから「必需品」として売れている。山田了社長(74)は「暑い日が続くと、熱中症対策で買い求める人も増える。差すと涼しいですから」と期待を寄せる。
 生活雑貨を取り扱う東急ハンズ長崎店(同市尾上町)でも、例年より速いペースで暑さ対策グッズが売れている。6月の売り上げは昨年同月と比べても「かなり売れている」状態。特に手持ちや首にかける扇風機が人気。帽子の中に入れる保冷剤など既に品切れ状態の商品もあり、扇風機や冷却グッズでも品薄状態のものもあるという。
 街行く人たちは、日傘を差したり、携帯用扇風機で体を冷やしたりとそれぞれ対策。気象台の予報では3日以降、暑さは幾分和らぐ見込み。


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