自転車保険加入義務化の福井県条例が施行 事故被害者救済や被害軽減、ヘルメット着用も努力義務に

自転車条例施行を周知する警察官ら=7月1日、福井県福井市大手2丁目

 福井県は7月1日、自転車による事故防止や事故被害の軽減、被害者救済を目的とした自転車条例を施行した。利用者に保険加入を義務付けるほか、努力義務としてヘルメットの着用を求める。

 条例名は「福井県自転車の安全で適正な利用に関する条例」。昨年12月に制定した。全国では自転車が絡む人身事故で、運転者が高額な賠償金を求められるケースがあり、賠償責任を負った人の経済的負担の軽減や被害者救済を目的として保険加入を義務付けた。

⇒福井県内の自転車保険加入率は

 加入対象は県内で自転車を利用する人。未成年の場合は保護者が加入する。業務で自転車を利用する事業者なども加入が必要。罰則規定はない。

 努力義務としてヘルメット着用をはじめ、自転車店などでの定期点検を挙げている。2017~21年の5年間で自転車に乗っていてけがをした612人のうち、ヘルメットを着用していたのは60人と約1割にとどまった。

 県県民安全課は「命を守る手段として、全世代の人にヘルメットを着用してもらい、交通ルールとマナーを守って自転車を安全に利用してほしい」と呼びかけている。

 今年の自転車乗車中の死亡事故は6月28日現在、3件(前年同期比3件増)発生している。

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