岡山市北区の後楽園で3日、「観蓮節」が開かれた。午前4時の開園から約900人が訪れ、夜明けとともにゆっくりと開いていく清らかな花を楽しんだ。新型コロナウイルス禍で2020、21年は中止しており、3年ぶりの開催となった。
園中央の井田では二千年ハスとも呼ばれる「大賀ハス」のピンクの花(直径約25センチ)が開花する姿を大勢が見守った。園西部の花葉の池でも「一天四海」が、大ぶりの白い花(同約30センチ)を咲かせた。あいにくの雨となったが、延養亭で演奏された琴や尺八の調べが響く中、来園者は観賞や記念撮影を楽しんでいた。
岡山市北区の女性(73)は「濃いピンク色をした花が気に入った。葉にたまった雨露にしっとりとした風情を感じた」と話した。
観蓮節は、同市出身の植物学者大賀一郎(1883~1965年)から、弥生時代の地層で発見した種子を開花させた大賀ハスを譲り受けたのを機に、56年から行っている。後楽園事務所によると、ハスの見頃は今月中旬まで。