「日本は台風大国」気象学者が研究最前線語る 横浜国大が連続講義

台風の歴史や特徴について語る筆保教授=横浜市西区のWeWorkオーシャンゲートみなとみらい

 気鋭の気象学者らによる全6回の「世界一聞きたい台風の授業」が、横浜で始まった。横浜国立大が昨秋開設した台風科学技術研究センター(TRC)の新たな試みで、研究の最前線を知ることができる。「1時間目」の6月23日はセンター長の筆保(ふでやす)弘徳教授が登壇し、被害の一方で、恵みももたらす台風の横顔を解説した。

 「台風という言葉は『タイフーン』という英語に由来し、明治時代に付けられた。江戸時代までは『野分(のわき)』などと呼ばれていた」

 筆保さんは歴史を振り返り、終戦直後の1945年9月に来襲した枕崎台風で3700人余り、59年9月の伊勢湾台風で約5千人が犠牲になったと説明。それらを教訓とした対策の進展で被害が抑えられるようになったが、「2019年の台風19号(東日本台風)などで人的被害が少しずつ増えてきている」と最近の傾向に懸念を示した。

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