毎日ごみ拾い1年余、SNSで広がる輪 多くの市民が活動に参加、行政と連携も 沖縄・宮古島市

 【宮古島】ポイ捨てのない島にしようと、2021年3月から1年余にわたり、悪天候以外は毎日ごみ拾いを続けている宮古島市上野在住の佐々木有希さん(40)。SNSでグループをつくって公開したところ、多くの市民が参加。「犬の散歩しながらごみ拾いをしたよ」などと参加者からの投稿が続いている。活動の輪が広がる中で、佐々木さんは宮古島市と連携して、「市民一斉ごみ拾いの日」設定の実現などに向けて、動き出している。

 9歳と7歳の息子、その友だちと一緒に集合住宅のごみ置き場の片付けをしたことがきっかけで、ごみ拾いを始めた。2人の息子と一緒になって団地の周りや集落内、数キロ離れた実家への行き帰りにと活動の範囲を広げていった。

 仲間を増やしてごみに対する島全体の意識を高めていこうと、SNSでグループ「宮古は日ごとキレイになっている」を立ち上げた。間もなく賛同者は269人に達した。

 グループのメンバーからは連日のように、佐々木さんの日々の活動を応援する投稿や、触発されてごみ拾いを始めた報告などが寄せられる。

 活動が広がる中で苦悩も。「拾い続けて、やっときれいにした道路脇が以前と同じようなごみの山に。泣きながら拾ったこともあった」と顔をくもらせた。

 4月にこども園に就職した佐々木さんは、園の子どもたちにも、ポイ捨てをしないことが自然を大切にすることにつながると伝え、子どもたちと一緒に園の周辺のごみ拾いも始めた。

 宮古島市が、持続可能な社会の実現を目指して開催した公開座談会「せんねんトーク」にも提案者として参加。これを機に行政と連携して(1)ごみゼロ達成のためのネットワーク構築(2)ごみの課題について考える場の開催(3)一斉ごみ拾いイベントの実現―などに向けて精力的に取り組んでいる。

 「宮古の人たちは島への思い入れが強い。自然と共に生きてきた本来の姿を取り戻すことで、島がポイ捨てゼロになることを信じている」と、継続して働き掛ける必要性について語った。

 (與那覇淳通信員)

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