高校生注目の話題は「LGBTQ」 理解の低さ、厳しい法律どうすれば…福井の参院選候補者に直撃インタビュー(上)

福井県立勝山高校×参院選候補者

 「自分ごと」に感じる社会課題の解決策を考える探究学習に福井新聞と連携して取り組んだ福井県立勝山高校1年生が、参院選公示前に福井選挙区の4候補に、特に関心が高かった4項目をぶつけた。立候補表明が公示直前となった2候補には、高校生たちの問題意識に対する意見を聞いた。

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斉木武志氏「国会も真剣に考えるべき」

 生徒一同 私たちが注目したのはLGBTQなど性的少数者への理解の低さ。当事者のインタビュー動画を若者向けにSNS(交流サイト)にアップするなど、当事者の声をもっと伝える環境が必要と考えました。

 斉木 すごくいいアイデア。若い世代ほどいろいろな情報に接していて、個性の違う人同士が共生していくことに対する意識が高いように感じる。

 丸山恵実さん(勝山高校1年生) 私は過去に知り合いから当事者だと告白されたことが印象的。LGBTQに対するマイナスのイメージを変えたいと思う。

 斉木 性同一性障害特例法に基づいて戸籍上の性別を変更するには、生殖機能をなくす手術を受ける必要がある。非常に厳しい法律だと思うのだけど、皆さんはどう感じる?

 笠松夕稀さん(勝山高校1年生) 手術には時間もお金もかかる。手術をしなくても戸籍上の性別を変えられるようにした方がいい。

 斉木 先進国の中で、日本は性的マイノリティーに対する取り組みが遅れている印象。国会も真剣に考えるべきテーマだと感じる。

 丸山 当事者が安心して暮らせるようになるには、同性婚が早く認められた方がいいという意見が私たちの中では多かった。難しい問題だけど、私たち一人一人が声を上げるだけでも違うと思う。

 斉木 さまざまな問題に関する法律の改正には衆参両院で過半数を獲得する必要があり、その前提として国民全体の合意形成がないといけない。少子化や伝統的家族観を理由に同性婚に反対の意見もある一方、ネットなどを活用して若い世代から賛同の輪が広がると、国会は絶対に無視できなくなる。政治家は民意がどこに向かっているのか見ている。

 三屋凛佳さん、畑中凜さん(勝山高校1年生) 今までLGBTQについて考えたことはあまりなかったけど、今回身近な課題だと分かった。これからは関連のニュースに注目し、どうしたら多くの人に問題を知ってもらえるか考えたい。

砂畑まみ恵氏「食の問題は重要課題」

 ―約1カ月の授業で生徒たちは多様な社会課題に注目した。

 地域の課題から全国的な問題まで幅広く考えていると感じ、うれしく思った。特に「食品ロス」に着目したグループがあった。食の問題は参政党にとっても重要課題。スーパーで10年間ほど働いた経験があり、売れ残って廃棄されてしまう食品を目の当たりにしていた。日本のカロリーベースの食料自給率38%に見合った、残さず食べきる意識を常に持ちたい。

 国際情勢が不安定になる中、国内で自給できるものを食卓に取り入れることが大切。身近な農家さんの苦労が伝わる食べ物は、そう簡単に捨てられない。

 ―若者の投票率向上に必要なことは。

 探究型の学びは重要なキーワード。勝山高の取り組みも探究学習の一環だったが、ガソリンや野菜の値段の高騰など生活に身近な問題を掘り下げていくと、外交や税金、気候といった多くの分野につながる。生活の全ては、政治に直結にしていると気付くことが大切。

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