早くも被害相次ぐ 触らないで!カツオノエボシ 相模湾沿岸に漂着 刺されると激痛、発熱も

海岸に漂着したカツオノエボシ(かながわ海岸美化財団提供)

 猛毒を持つクラゲ「カツオノエボシ」が、海開きを迎えたばかりの相模湾沿岸に数多く漂着し、被害が相次いでいる。薄水色のきれいな見た目とあって、かながわ海岸美化財団(茅ケ崎市汐見台)は「何だろう、と興味を持ってしまう。海岸で見つけても絶対に触らないで」と注意を呼び掛けている。

 鎌倉市では、2日に材木座と由比ガ浜の両海水浴場でクラゲに刺されたとの報告が68件あり、救急要請は9件10人に上った。同日、藤沢市消防局は辻堂海岸から乳幼児2人を含む3人を救急搬送。茅ケ崎市でも9人がクラゲに刺されたと訴え、1人が救急搬送された。同市では3日にも3件申告があった。

 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2丁目)によると、カツオノエボシは毒性の強いクラゲで、刺されると激痛が走り、肌が腫れたり、熱が出たりするほか、複数回刺されると、急激な血圧低下で意識を失う「アナフィラキシーショック」を引き起こすこともあるという。さらに、浜辺に打ち上げられ死んだ後も、毒が残っているケースがあり、触れるのは非常に危険だという。

 同財団によると、漂着している数は例年並みだが、5日も海辺で風が吹き各地で漂着が見られた。カツオノエボシは例年夏の初めの南風が強い日に、海岸に打ち上げられるという。

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