木造校舎「懐かしの学び舎」で昔の暮らし学ぶ 神奈川・愛川町の児童ら参加

木造校舎の授業で、昔の学校でチャイムとして使われた「振鈴」を子どもたちに見せる山口研一学芸員=愛川町半原

 1926(大正15)年に建設された愛川町立半原小の旧木造校舎を活用した「懐かしの学び舎(や)」(同町半原)で6月30日、町立田代小の3年生25人が、昔の道具や暮らしについて学んだ。

 同校舎は現存する県内最古の木造校舎で、77年度まで使われていた。町が昨年10月、昭和の雰囲気を再現した「懐かしの学び舎」として整備し、本年度は町教育委員会が体験学習を企画。町内6小学校が順に訪れ、小学3年の社会科で「昔のくらし」を学ぶ際に「懐かしの学び舎」で授業を受けている。

 この日は、町郷土資料館の山口研一学芸員が先生役。昔ながらの木の机、いすに座った子どもたちに、山口学芸員がハンドベルのような鈴を見せ「昔は学校のチャイムとしてこの鈴を鳴らしました」と実際に鳴らしてみせた。

 昔の電話については「今の携帯電話と違って、電話交換手に連絡して、相手とつないでもらって話した」と説明。炭を使ったアイロンの「火のし」などの道具も紹介した。

 かつて半原地区で盛んだった撚糸(ねんし)業で使われた八丁式撚糸機やさまざまな農具なども見学していた。

 参加した女子児童は「炭のアイロンは服が焦げちゃったりして困ることもあるようだったけど、自分でも火のしを使ってみたい」と話していた。

© 株式会社神奈川新聞社