2025年芸文祭へ才能発掘 障害者アート作品 長崎県内全域で募集、20日まで アールブリュット・フェスティバル 2022

2018年に開催したフェスティバルの会場=諫早市美術・歴史館(南高愛隣会提供)

 知的機能や精神機能に障害のある人々の芸術作品を紹介する「アールブリュット・フェスティバル 2022」(同実行委主催)が9月23~25日、長崎県諫早市東小路町の市美術・歴史館で開かれる。2025年に本県で開催予定の全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)に向け、新たな才能を発掘するため、対象を県内全域に広げて作品を募集。20日まで出品申し込みを受け付けている。
 アール・ブリュットは「生(き)の芸術」とも呼ばれ、専門的な美術教育を受けていない子どもや障害者らの作品を指す。約10年前から障害者の生きがいづくりを目的にアート活動の支援に取り組む南高愛隣会(諫早市)や近隣の社会福祉法人などで実行委をつくり、16年からフェスティバルを開始。質の高い作品を集めることで障害者アートの魅力を強く発信しようと、2回目の18年から画家や学芸員による審査も導入した。
 作品はこれまで実行委に参加する施設の利用者らから募っていたが、3回目の今年から施設に関係なくオープンな形で募集。国内外の美術展に出品したりして、活躍している県外作家の作品も初めて招待する。高いレベルの芸術作品に触れてもらい、障害者アートへの社会の関心も高めていきたい考えだ。
 今回はさらに、県障害者社会参加推進センター(長崎市)の「県障害者芸術文化活動普及支援事業」に協力。展覧会を開くノウハウを持つ福祉施設を地域に増やし障害者アートの発表の場づくりを後押しするため、施設職員が展示キャプションの制作などを体験できる研修の機会をつくる。
 実行委は「出品する人の喜びや生きがいにつなげると同時に、多くの人に障害者アートを今まで以上に知ってもらうきっかけにしたい」としている。
 応募書類は同センターが県内全ての福祉施設などに配布する。問い合わせは同実行委の松尾梨衣さん(電070.7663.0754)。

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