長崎県内各候補 大票田で最後の訴え 金子農相の警備厳戒

支援者らに手を振り「最後のお願い」をする候補者=9日午後7時47分、長崎市内

 安倍晋三元首相の銃撃事件から一夜明けた9日、参院選長崎選挙区の各候補は大票田の長崎市などに繰り出し、最後の訴えに声をからした。自民候補の陣営関係者によると、応援に駆けつけた金子原二郎農相の警備には通常より多い警察官が配置され、厳戒態勢でのマイク納めとなった。
 自民の山本啓介候補(47)は同市中心部のアーケードで最後の演説。周囲は三角コーンとポールで囲まれていた。山本氏は「暴力に屈することなく投票の権利を行使することで、日本に自由と民主主義がしっかりとあることを示そう」と呼びかけた。
 日本維新の会の山田真美候補(50)は終日、同市の事務所前で手を振って市民にアピール。最後は近くのプラタナス広場で「皆さんと同じ目線で政治を進めるのが維新。力を貸してほしい」とお願い。支援者に感謝を伝え、充実した表情で締めくくった。
 共産の安江綾子候補(45)は同市中心部で選挙カーに上って最後の訴え。「一人一人が尊重される社会や政治をつくるためには憲法を守り抜かなければならない」と強調。大企業と市民の税負担が不公平とし「財界優遇の政治にメスを入れる」と声を振り絞った。
 立憲民主の白川鮎美候補(42)は運動員と自身の新型コロナウイルス感染が判明。同市恵美須町の事務所でのマイク納めにオンラインで参加して支援者に感謝の言葉を送り、「今度こそお役に立つ。最後に万歳をして、勝利の涙を流したい」と述べた。
 政治団体「参政党」の尾方綾子候補(47)は同市元船町の商業施設前で「政治を根本から変える時が来ている」と既存政党との違いをアピール。支援者約10人がスピーチした後、再びマイクを握り「みんなが主役。これが新しい政治の形」と声を張り上げた。
 同選挙区にはNHK党の大熊和人候補(52)も立候補している。


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