<参院選>喪章、マイク自粛、立て札…それぞれの弔意、決意新たに 埼玉県内でも警備強化 きょう投開票

さいたま市の街頭演説会場付近で警戒する警察官=9日午前

 第26回参院選は10日に投開票される。昨年10月に就任した岸田文雄首相(自民党総裁)の約9カ月間の政権運営に有権者の審判が下る。与野党は物価高や消費税減税、憲法を主な争点に攻防を繰り広げた。18日間の選挙期間最終盤の8日、自民の安倍晋三元首相が奈良市で凶弾に倒れて死去した。各党が遊説日程を一時中止する異例の展開となったが、最終日の9日は厳戒警備の中、党幹部らが各地で街頭演説を再開。「暴力に屈しない」と民主主義を守り抜く決意を表明した。

 埼玉選挙区(改選数4)には過去最多となる15人が立候補。6月22日の公示直後の27日、平年より約3週間早く梅雨が明けた県内などでは、連日の猛暑の中、各陣営による激しい選挙戦が繰り広げられてきた。

 選挙戦最終日の9日は、前日の安倍晋三元首相銃撃の影響から、県内でも警備が強化され、特に党幹部が演説した大宮駅前では大勢の警察関係者により警備が強化されたほか、歩道から出られないよう鉄柵が設けられるなどの措置が取られた。

 候補者の中には弔意を示すため、スタッフ全員が喪章を着用した陣営や、マイク使用の自粛を決めた陣営があったほか、言論を脅かす暴力に屈しないことを示すため、あえて通常通りの選挙活動を行う旨を伝える立て札を用意した陣営も見られた。

 投票は秩父市、ときがわ、長瀞、小鹿野、神川各町の一部の投票所を除き、10日午前7時から午後8時まで。

 県選管では投票所ではアルコール消毒液の設置や換気の実施、定期的な消毒など新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底するほか、有権者に対しては投票所内でマスクを着用するなどの協力を呼びかけている。

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