上野氏3選確実に 盤石の組織戦展開 参院選栃木選挙区

上野通子氏

 参院選の投票が10日午後8時に締め切られ、栃木選挙区(改選数1)では自民党現職の上野通子氏(64)=公明推薦=が3選を確実にした。自民は2010年参院選以降、栃木選挙区で5連勝を飾ることになり、非改選議席と合わせた2議席独占を維持する。

 栃木選挙区は自民現職に野党統一候補が挑む構図となった前回、前々回と違い、今回は野党候補が乱立。定数削減で改選1人区となった07年以降で最多の6人、うち女性は過去最多の5人で争われた。

 上野氏は精通する教育・子育て分野のさらなる充実、心身共に良好な状態を示す「ウェルビーイング」の普及に向けた党内議論をけん引してきた実績などをアピール。200近い推薦団体の支援や、国会議員や県議らの全面的な後押しを受けて盤石な組織戦を展開した。下野新聞社が行った世論調査では、支持政党を持たない無党派層からも一定の支持を集めた。

 立憲民主党新人の板倉京氏(55)と日本維新の会新人の大久保裕美氏(45)は立候補表明が4月と出遅れ、選挙戦で懸命に挽回を図ったが知名度不足も響いて支持は伸びを欠いた。

 9年ぶりに独自候補を擁立した共産党の新人岡村恵子氏(68)は、共産支持層以外に支持を広げられなかった。

 政治団体の参政党新人の大隈広郷氏(52)、NHK党新人の高橋真佐子氏(57)の支持も一部にとどまった。

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