2022参院選福井選挙区の投票率が前回を上回った背景 越前市は福井県内の唯一60%超え

 福井県選挙管理委員会が7月10日発表した参院選福井選挙区の投票率は55.32%で、過去最低の47.64%となった前回2019年を7.68ポイント上回った。市民生活に直結する物価高対策や消費税減税などが争点となったことに加え、福井選挙区に過去最多の6人が立候補。ベテランの自民党現職を前衆院議員の40代無所属新人が追い上げる展開となり、有権者の関心が一定程度高まった格好だ。

 今回の参院選は、選挙戦最終盤に安倍晋三元首相が遊説中に銃撃され死亡する異例の展開となった。投票率はやや改善したものの、13年(53.78%)から4回連続で60%を割り込み、参院選としては過去4番目の低さで、低水準が依然続いている。県内9市では、市議選とのダブル選挙となった越前市が63.26%と唯一6割を超えた。

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 参院選の終盤情勢を探った福井新聞社の電話世論調査では、選挙に「関心がある」と答えた県内有権者は66.9%と、前回19年の同時期の調査を6.4ポイント上回っていた。

 法教育、公民教育に詳しい福井大学の橋本康弘教授は「福井選挙区は接戦となったが、全国的には与野党の勢力が拮抗する状況ではない。現政権の信任投票という意味合いでは、60%を超えるような投票率アップは難しい」と話す。

 今回の参院選は、選挙権年齢が18歳に引き下げられて5回目の国政選挙。今年4月には成人年齢も引き下げられ、若者の投票行動にどう影響したかも注目される。県選管と連携して啓発活動に取り組んだ県明るい選挙推進青年活動隊「CEPT(セプト)」の平下萌さん(22)=福井大4年=は「新型コロナウイルス流行や円安など、自分が選挙権を得てから5年間で政治を身近に感じる機会が増えた。県外から戻って投票する知人がいたり、SNSに選挙に関する投稿も多く見かけたりした」と話した。

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