自民新人・山本啓介氏 初当選 白川氏ら5人退ける

初当選を決め、ガンバロー三唱をする山本氏(中央)=10日午後8時17分、長崎市元船町、平安閣サンプリエール

 長崎選挙区(改選数1)は、自民現職で農相の金子原二郎氏(78)の後継として立候補した自民新人の山本啓介氏(47)=公明推薦=が、立憲民主の白川鮎美氏(42)=社民推薦=ら新人5人を退け、初当選を果たした。これで自民は非改選1議席を含む同選挙区の2議席を引き続き独占することになった。投票率は過去最低だった前回の45.46%を3.26ポイント上回る48.72%で、一定下げ止まった。
 山本氏は、党公認を得ていた金子氏が3月に今期限りの引退を表明したため、急きょ後継に決まった。当時は党県連幹事長で、保守分裂となった2月の知事選のしこりから、党が一枚岩になれるか懸念された。山本氏は県内各地を精力的に回り、党員に知事選の混乱をわびながら協力を要請。党内融和に腐心した。
 壱岐市区の県議を3期務めたとはいえ、県内全域での知名度は不足。選挙戦に入ると、岸田文雄首相(党総裁)ら党幹部が相次いで長崎入りしアピール。分厚い組織網を生かして各地で大小の集会を開き、岸田政権の物価高対策や安全保障政策のほか、長崎県活性化のため国の施策を引き出すなどと訴えた。堅調な内閣支持率にも支えられ着実に支持を広げていった。
 白川氏は前回敗れた直後から3年間、県内各地を回り知名度は一定高まっていた。県内最大の労働団体「連合長崎」や立民、国民民主、社民3党県連などでつくる「7団体懇話会(7者懇)」が支える態勢もあったものの、立民県連が中心の選対が十分に機能しなかった。党支持率の低迷も響いた。
 他の4氏は知名度不足などで支持が広がらなかった。

◎精いっぱい頑張る/山本啓介氏の話
 18日間、多くの方々にご支持、ご支援いただき、戦いを進めることができた。精いっぱい頑張っていくことをお誓いする。

■開票結果 (選管最終)
当 261,554 山本 啓介 47 自民・新
  152,473 白川 鮎美 42 立民・新
   53,715 山田 真美 50 維新・新
   26,281 安江 綾子 45 共産・新
   21,363 尾方 綾子 47 諸派・新
    6,969 大熊 和人 52 N党・新


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