瀬戸内・夢二生家に恋ポスト登場 市観光協「大切な人に手紙を」

「夢二恋ポスト」に手紙を投函するあいあい保育園の園児たち

 大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884~1934年)が少年時代を過ごした夢二郷土美術館夢二生家記念館(瀬戸内市邑久町本庄)に、恋人や家族に手紙を出せる「夢二恋ポスト」がお目見えした。市観光協会が取り組む観光企画「恋ポスト作戦」の一環で市内3基目。園児たちが早速、両親らに感謝の気持ちを記した手紙を投函(とうかん)した。

 夢二恋ポストは、明治後期から昭和中期まで鳥取県で使われていた赤い丸型。レトロ感を演出するため、塗り直しなどは行わず、そのままの外観で活用する。東京のアトリエ兼住居を復元した少年山荘前の庭に設置。生家で販売している専用はがき(132円)と切手(63円)を購入してポストに入れる。

 7日にお披露目があり、関係者ら約10人が出席。日本郵便備前東部地区連絡会の三井通久・地区統括局長と記念館の小嶋ひろみ館長代理が「記念館に来た思い出を大切な人に伝えることで、市の観光振興にもつなげてほしい」とあいさつした。

 この後、あいあい保育園(牛窓町鹿忍)年長組の17人が母親らへの感謝の気持ちをつづった手紙を投函。園児(5)は「夏におばあちゃんのいる九州に行くのが楽しみと書いた。早く届くといいな」と笑顔を見せた。七夕にちなみ、生家玄関では願い事を書いた短冊をササに結び付けた。

 恋ポストは、新型コロナウイルスの影響で家族や恋人と自由に会いにくい中、直筆で思いを届けてもらおうと昨年5月、市観光センター・瀬戸内きらり館(牛窓町牛窓)と牛窓オリーブ園(同所)に設置した。市観光協会の永田昭二副会長は「夢二さんも若い頃に何度も恋文を書いたのだろう。メールが普及した今だからこそ、手紙の良さを見直すきっかけになれば」と話していた。

願い事を書いた短冊をササに結び付ける園児たち

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