「日光そばまつり」廃止 本来の目的果たせず…

2019年に開催された「日光そばまつり」=日光市瀬川

 日光市の秋の風物詩として親しまれた「日光そばまつり」の廃止が11日までに決まった。市や市議会、日光商工会議所などによる実行委員会(会長・粉川昭一(こなかわしょういち)市長)が発表した。

 2002年の第1回以来、毎年約10万人が来場していた。地元そば店の出店が年々減り、「日光のそば」をPRする本来の目的が果たせなくなった上、集客型イベントのため感染対策が困難だったという。廃止に伴い、実行委は解散する。

 ここ2年は新型コロナウイルス感染症の流行で中止されたが、第1回から数えて18年にわたる開催で、市観光課は「『日光のそば』の振興に大きな役割を果たした」としている。

 そばまつりは地元のそばのPRと観光振興を狙い、旧今市市時代に始まった。当初は10店舗を超す市内のそば店が出店したが、年々減少。直近の19年はわずか2店舗にとどまった。

 また、コロナ禍で代替事業として実施した「日光手打ちそばスタンプラリー」は40店を超える市内そば店が参加。開催期間が長く、店舗周遊型で新規顧客を獲得するなど経済効果も高いため、そばまつりからの「転換によって引き続き振興が図れる」と判断した。

 財政健全化を目指す市は観光イベントに支出する補助金の見直しを進めている。本年度の当初予算では、そばまつりに対する補助金の計上を見送り、開催の可否を実行委に委ねていた。

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