〈参院選・新潟選挙区〉激戦選挙に決着 有力2候補 明暗分かれる 

 10日に投開票された参院選・新潟選挙区(改選数1)では、立憲民主党現職・森裕子氏(66)との事実上の一騎打ちを制した自民党新人・小林一大氏(49)の陣営が歓喜に沸いた一方で、敗れた森氏の陣営に落胆が広がった。
◇議席奪還に会場沸く 小林氏陣営
 初当選を目指す小林氏は、新潟市中央区のANAクラウンプラザホテル新潟で投開票の結果を見守った。
 会場には与党議員をはじめ大勢の支援者が参集。開票速報を伝えるテレビ番組を固唾(かたず)を飲んで見詰め、当選確定が報じられると長く、割れんばかりの拍手が沸き起こった。
 壇上に上がった小林氏。冒頭、本選挙中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相へ黙とうをささげた。自民党県連会長の高鳥修一衆院議員が「安倍先生に届くよう、万歳をしようではないか」と呼び掛け、声高らかに万歳三唱を行った。
 小林氏は当選のあいさつで「新潟を皆さんと一緒に力を合わせて前へ進めていきたい。必ず素晴らしいふるさとに、そして日本を素晴らしい国にしていく」と決意を述べた。

「広がった一大」コールを支援者や家族と唱和。喜びを分かち合った(10日午後10時ごろ)
安倍元首相の逝去に黙とうをささげる(10日午後9時40分ごろ)

 花角英世知事や公明党県本部代表の志田邦男氏らが祝いの言葉を贈り、最後は恒例の「広がれ一大」の文言を「広がった」に変え力強くコールを唱和した。

◇上越でも勝利歓喜の万歳

 上越でも小林氏陣営関係者が集まり、歓喜の万歳を行った。
 上越市の上越文化会館中ホールで開票の様子を見守り、午後8時すぎにテレビの速報で当確が出ると大きな拍手に包まれた。同9時ごろに上越での選挙戦を主導した県議、市議、企業関係者ら約45人が集まり、同9時40分ごろ新潟市会場での万歳に合わせ、万歳した。

画面越しの新潟会場での万歳に合わせ、万歳する上越の小林氏陣営関係者(10日午後9時40分ごろ、上越文化会館)

 自民党新潟6区幹事長の楡井辰雄県議は「終盤は不安でいっぱいだったが、手振り、企業回りをしていく中で今までと違う手応えがあった。保守系、公明党の皆さんがちゃんと社員に言ったよ、隣の人に言ったよと協力してくれた。6区の票、特に今まで9000票近く負けている上越市で何とか勝ちたいという思いがあった。知名度がない中、皆さまの力で深く深く浸透した」と感謝の弁。公明党の杉田勝典市議、市議会の石田裕一議長も祝辞を述べた。

◇勝ち切れず悔い残り 森氏陣営
 森氏は10日午後9時30分ごろ、落選の知らせを受け、支持者らの待つ新潟市中央区の新潟東映ホテルの開票見守り所に姿を現した。惜しみない拍手に包まれる中で登壇し、敗戦の弁を述べた。
 「全ては私の責任であり、力不足」と陳謝し、今回の選挙を〝デッドヒート〟だったと回想。「ここまでの戦いにしていただいたのは、皆さまのお力添えのたまもの。だからこそ勝ち切りたかった。議席を守りたかった」と悔しさをにじませた。今後の政治活動については「今は、頭が真っ白。何も考えていない」とした。
 選対本部長の菊田真紀子衆院議員は、選挙期間中に岸田文雄首相が2度にわたり本県入りし、相手候補の応援演説を行ったことを踏まえ「森さんが何度も言うように、壮絶な権力との戦いだった」と総括。「(森氏は)本当に素晴らしい、これ以上ない候補者だった。国会での活躍から考えれば、この議席を失ってしまったのは痛恨の極み」と唇をかんだ。

開票見守り所に姿を現し、梅谷守衆院議員ら選対幹部にあいさつして回る森氏(午後9時30分ごろ)

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