高校野球 元気と笑顔でCチームからはい上がった河津陽和(藤蔭2年)

全国高校野球選手権大分大会

2回戦 7月10日 別大興産スタジアム

藤 蔭 011 103 000|6

別府翔青 000 102 010|4

夏に強い藤蔭―。中学2年の時にテレビで見た、「地元の高校」が甲子園で活躍する姿に憧れた河津陽和は、藤蔭への入学を決めた。県内外から実力者が多く集まり、し烈な競争に圧倒されCチームからのスタートとなったが、「自分に野球センスはない。笑顔と元気で勝負」と腹をくくり、誰よりも声を出して練習に励んだ。

転機が訪れたのは昨夏の全国高校野球選手権大分大会の後。CチームとBチームとの紅白戦で3回の盗塁を3度阻止したことが指導陣の目に留まり、Bチーム、Aチームへとステップアップした。日田東部中では2年生の頃に投手と捕手を兼務するようになり、高校は「試合に出られるならどのポジションでも良かった」と層の薄かった捕手に専念。キャッチングからスローイン、配球の組み立てを学び、花を咲かせた。

先制打を放った河津陽和

今年の春の大会から2年生ながら正捕手となり、3年生を中心とした個性豊かな投手陣を引っ張る。全国高校野球選手権大分大会の初戦となった別府翔青戦では、2年の泉幸輝、松石信八の2人の投手をリードした。二回と九回にそれぞれ無死満塁のピンチを迎えたが、「泉はピンチに強いし、松石は性格がイケイケなんで守りに入らなかった」と動じることなく、強気のピッチングを求めてどちらも無失点で切り抜けた。

打っては二回一死2塁の場面で中前に三塁打を放ち先制点を呼び込み、四回にはセーフティースクイズを決めて投手を援護した。「先制点は振り抜けたし、スクイズは苦手だがうまく決まった。今日は持ってた」と笑顔が弾けた。今年の夏は「3年生と長い夏を過ごしたい。甲子園に向けてやってやろうという気持ちでいっぱい」。藤蔭のムードメーカーが「笑顔と元気」でチームを引っ張る。

別府翔青戦では2人の投手を引っ張った

(柚野真也)

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