島の球児たち躍動 壱岐、コールド勝ちで夢へ加速 第104回全国高校野球長崎大会 第5日

【2回戦、諫早農―壱岐】5回裏壱岐2死一、三塁、吉田が右前に適時打を放つ=諫早市、スポーツパークいさはや第1野球場

 島の球児が躍動した。壱岐が第3シードの諫早農に完勝。初回に好投手浜崎を攻略すると、波に乗って7-0で七回コールド勝ちした。春には1-8で大敗した相手を打ち負かした選手たち。坂本監督は「自分たちの野球を思い切りやってくれた」と賛辞を惜しまなかった。
 鮮やかな先制攻撃は1番吉田が流れをつくった。初回、カウント1-2と追い込まれながらもしぶとく中前打で出塁すると、続く川上がバスターで左前へ。好走塁で無死二、三塁とし、浜崎にプレッシャーをかけた。
 ここから小畑が中越えに2点三塁打、浦上も適時打で続き、2死から桝崎、吉井の連続適時打も飛び出してこの回一挙5点。指揮官の「コントロールのいい投手。どんどん振っていこう」という指示通り、やや高めに浮いた球を見逃さず、次々と快音を響かせた。
 1回戦の対馬との離島勢対決は硬さが出て苦戦。島に戻り「次こそ楽しむ」と修正してきた。五回にも適時打を放った吉田は「冬に振り込んできた成果が出せた」と胸を張り、守備でも小畑らが好プレーを見せた。
 スタンドでは地元から駆けつけた保護者やOBらがメガホン、拍子木を打ち鳴らして後押し。主将の川上は「平日なのにたくさん応援してくれて心強かった」と感謝する。夏はここ2年続けて8強。シード校を倒して勢いづき「離島から甲子園」の夢へ加速する。


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