【12日】長崎県内コロナ最多849人 感染レベル引き上げへ

左から 12日発表の市町別感染者数、新型コロナウイルス感染者の入院状況(11日午後7時現在)

 長崎県などは12日、県内20市町で過去最多となる849人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。これまでの最多は1月29日公表の717人だった。大石賢吾知事は「県全体でレベル判断を行う段階」とメッセージを公表し、感染の広がりを示すレベルを近く「2-Ⅰ」(警戒警報)に引き上げる意向を示唆した。
 県は佐世保県北医療圏の病床使用率が高くなっているとして、佐世保市のみを8日から「2-Ⅰ」に引き上げ、県全体では「1」(注意報)を維持している。ただ12日現在、県全体の病床使用率は21%まで上昇。大石知事は「医療や福祉などの機能が維持できる範囲であればコロナと共生し、可能な限り社会経済活動を継続していく」とし、基本的な感染防止対策とワクチン接種への協力を呼びかけている。
 感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型「BA・5」について、県は12日、県内2例目を確認したと公表。6月26日~7月2日に採取した8検体のうち1検体が「BA・5」だった。県の担当者は「全国の傾向を考えれば、県内でも置き換わりが進んでいくと考えられる」としている。
 新規クラスター(感染者集団)は3件。長崎市では民間の高齢者福祉施設で施設関係者7人、医療機関で入院患者10人と医療従事者2人の計12人の陽性がそれぞれ判明。佐世保市では児童関係施設で園児11人、職員1人の計12人が感染した。既存クラスターは西彼長与町の医療機関で計20人(1人増)に拡大した。
 学校関係では12日、長崎市の市立小2校で1学年と1学級、佐世保市の市立学校5校で1学年と5学級をそれぞれ閉鎖。13日からは諫早市の市立小2校3学級、大村市の市立小1校1学級をそれぞれ閉鎖する。
 佐世保市は、米海軍佐世保基地で新たに基地関係者(軍人、軍属ら)9人の感染を11日に確認したと発表した。
 10日時点の県内のワクチン接種状況は1回目が82.5%、2回目が81.3%、3回目が65.4%。


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