新型コロナ感染急拡大 専門家「重症度や毒性がかなり変わってきている」静岡県内で過去最多2195人感染

7月13日、静岡県内では過去最多の2195人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。県は12日、国の評価レベルを1から2へ引き上げたばかりで、警戒感が高まっています。

2195人の感染者を自治体別にみますと、静岡市が過去2番目に多い617人、浜松市は過去最多の604人、沼津市が122人、富士市が92人、磐田市が78人などとなっています。死者の報告はありませんでした。

1日あたりの感染者数は1週間前の水曜日(6日)の2.5倍以上で、前の週を上回るのは21日連続です。

静岡県内のコロナ患者受け入れ病院の入院者数は151人で、病床使用率も県全体で27.2%と増え続けています。

富士市は、富士市立中央病院で医師6人が感染するクラスターが発生したと発表しました。病院によりますと、13日までに医師や看護師など職員合わせて20人の感染が確認されています。このうちクラスターと判断された医師6人は会食で感染したとみらます。

感染者が急激に増えていることについて静岡県民は…。

<県民>

「(外食は)4人以下と会社でも言われているのでそれは守っていたが過去最多と聞くとちょっと外食を控えなきゃいけないのかなと」

Q街の様子は?「人は多くなったなあって」

「正直実感がない、2000人と言われても。日常生活はそんなに変わらないのに、ニュースだけ多くなっているのでへーって。僕らの生活とはかけ離れているのかなと思っちゃう」

実感を伴わない感染爆発に静岡県健康福祉部の後藤参事は…。

<静岡県健康福祉部 後藤幹生参事>

「オミクロン株の感染力は強い。ワクチンを打っても数カ月でワクチンの感染防止効果はなくなってくるのは前から知られているので、オミクロン株が国内でマイナーチェンジしながらいるかぎりはこういうことは3カ月ごとくらいに繰り返すのかなと考えている」

静岡県内の1日あたりの感染者数は13日が過去最多の2195人。これまでの最多は、第6波のピークだった今年2月5日と8日で、ともに2066人でした。

自治体別では浜松市が過去最多となりました。鈴木康友浜松市長は「感染がさらに拡大した場合、医療提供体制への影響が懸念される」とコメントし、今一度、基本的な感染予防対策の徹底と若者や高齢者、基礎疾患のある人には積極的なワクチン接種を心掛けてほしいと求めています。

今後、感染状況はどうなるのか?静岡県の専門家会議のメンバーで静岡市立静岡病院の岩井一也医師に聞きました。

<静岡市立静岡病院 岩井一也医師>

「単純に感染者数の数を見るのはほとんど意味がないと思っています。というのは、2年前に出てきた初期の頃と重症度、毒性がかなり変わってきているので、日々の感染者数に一喜一憂しない」

岩井医師は、季節性インフルエンザと新型コロナオミクロン株の重症化率を比べるとオミクロン株のほうが低く、13日の静岡県内の重症者数も0人であることから、極度に恐れることはないと言います。

<静岡市立静岡病院 岩井一也医師>

「感染者数は増えていきますが、適切な医療が受けられるという体制が確立していれば、その中で本当に入院が必要な患者はさほど多くはならないだろうと思っています」

一方、熱中症のリスクが高まる中、屋外でもマスクを着用する人の姿が多いのが現状です。

<静岡市立静岡病院 岩井一也医師>

「外せないという人の理由が人の目を気にしてということが一番だと思うので、ここは今までマスクをしてくださいと言っていた立場の人、国のトップが外しましょうと号令をかけることが必要なんじゃないかと思っています」

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