「火祭り」16日に3年ぶり実施 若者会のメンバー、3人が初舞台 「仮山伏の棒使い」練習に熱 妙高市関山神社

 妙高市関山の関山神社で16日、同神社の大祭「火祭り」が3年ぶりに開かれる。県無形民俗文化財に指定されている演武「仮山伏の棒使い」の披露に向け、若者たちが連日、夜遅くまで練習に汗を流している。

各武具を使い、動作の一つ一つを確認する関山神社若者会のメンバー(12日)

 仮山伏の棒使いは戦国時代、戦乱に見舞われた関山神社を守ろうと、修行僧が武術を身に付けたことが由来とされる。山伏姿の6人の若者が太刀、なぎなた、六尺棒を使い、2人一組で演武を行う。武術の形は22種類に及ぶ。
 1200年余りの伝統がある火祭りは、新型コロナウイルス感染症の影響で、ここ2年は中止となっていた。3年ぶりの実施に向け、連日、「ヤーッ」「トッ」という掛け声や、武具を打ち合う音が境内に響いている。
 演武をするのは同神社若者会のメンバー。午後8時近く、仕事を終えたメンバーが続々と参集。演者は「動」と「静」のめりはり、正しい姿勢、力強く息の合った演武に意識を集中させ、動作の一つ一つを確認した。
 演者1人に対し「師匠」と呼ばれる指南役が1人ずつ付く。通し稽古では師匠から「棒の動きが遅い」「指を伸ばして」「目線を上に」などと厳しくも愛のある指導が飛び、演者は汗びっしょりになりながら、一つ一つの動きを体に覚え込ませていた。
 3年ぶりの大祭となる今年、3人が初舞台を踏む。小山紅季(こうき)さん(22)は、演武の冒頭に登場。日々の練習で「だんだん動きが良くなってきている」と手応えを感じている。加藤健斗さん(25)は「体の使い方に気を付け、きれいな演武を見せたい」と熱く語り、水口利樹さん(24)は「小さい頃から見ていた舞台に立つことを誇りに思う。地域の人の応援を励みに頑張りたい」と意気込んだ。
 師匠の笹川祥希(よしき)さん(26)は「地域の伝統を守ろうと、みんなが結束している。本番は緊張すると思うが、練習したことを発揮して楽しんでほしい」と期待を込めた。
 祭りは仮山伏の棒使いの他、みこし渡御が行われる。

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