カナダにバレエ留学へ 長崎市の南和樹さん 「これまでの集大成」と意欲

カナダにバレエ留学する南さん=長崎市、のむらバレエアカデミー長崎教室

 「海外で経験を積みバレエダンサーとして、人として成長したい」-。長崎市松山町の「のむらバレエアカデミー長崎教室」に通う同市の精道三川台高1年、南和樹さん(15)が今月末、カナダのバレエ学校に留学する。出発を前に17日の同教室研修発表会に出演する南さんは「これまでの集大成。力を出し切り、きれいに踊りたい」と意気込んでいる。
 南さんは小学1年の頃から、同教室で9年間レッスンを受けてきた。1月にカナダ西部のビクトリア市にあるバレエ学校「ビクトリア・アカデミー」のオンラインオーディションを受け、基礎的な力などが認められて1年間の留学が決まった。
 同アカデミーはアクロバティックな表現などを特徴とするという。南さんは「カナダでは、プロを目指す同世代とレッスンを受ける。かなり厳しい指導が予想されるが、まずは体力をつけ、苦手とする回転や跳躍を上達したい」と抱負。「バレエで大切なレディーファーストの精神も学びたい」と語る。
 佐賀市と佐賀県鹿島市、長崎市に四つの教室がある「のむらバレエアカデミー」の野村一樹代表は、ロシアの「ワガノワ派」の流れを踏襲し、古典的な踊りを指導している。南さんに関しては「股関節がよく開くなど身体的な条件が良く、美的なラインを作りやすい。性格が素直なので吸収する力もある。カナダでどれだけ成長するか楽しみ」と期待している。

発表会に向けてレッスンに励む生徒たち。2列目左が南さん

 17日に西彼時津町の「とぎつカナリーホール」で開く発表会は2部構成。南さんは、小学3年生以下が出演する第1部に賛助出演。午後5時半からの第2部で、チャイコフスキーの組曲に野村代表が振り付けをしたオリジナル作品「テーマとバリエーション」に出演。「白鳥の湖」の曲に乗り、王子役として2人のバレリーナをサポートしながら踊る。
 発表会は2年に1度開いてきたが、20年は新型コロナウイルス感染拡大で中止となった。「コロナ禍で生徒たちは目標を失いかけたが、今回の発表会に向けて輝きを取り戻してくれた」と野村代表。大きな見せ場がある南さんは「最高の舞台にしたい。そして、バレエ留学から帰国したら、どれだけ成長したか披露したい」と話している。
 発表会は一般客も若干名鑑賞できる。問い合わせは長崎教室(n‐ballet.nagasaki@friend.ocn.ne.jp)。


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